中等症~重症の全身性エリテマトーデス(SLE)に対する1型インターフェロン阻害剤anifrolumab、3つ疾患活動性評価指標で皮膚症状・関節炎の一貫した改善示す
英アストラゼネカ社は6月2日、中等症から重症の全身性エリテマトーデス(SLE)患者さんを対象に、1型インターフェロン阻害剤anifrolumab投与群とプラセボ投与群を比較した臨床試験において、3つの異なる疾患活動性評価指標で皮膚症状および関節炎を一貫して改善したことが示されたと発表しました。
これは欧州リウマチ学会年次総会(EULAR2021)で発表された、第III相TULIP試験の統合解析データの新たな事後解析の結果です。TULIP-1試験とTULIP-2試験という2つの第III相プログラムから成り立つTULIP試験では、anifrolumabの有効性と安全性をプラセボと比較しています。今回の解析は、SLEにより最も影響を受ける2つの器官での症状について検討したそうです。
まず、皮膚症状に関して、52週時点でのanifrolumab投与群とプラセボ投与群の奏効率の差は、SLE Disease Activity Index (SLEDAI)という評価指標で13%、British Isles Lupus Assessment Group Index (BILAG)という指標で15.5%、改訂Cutaneous Lupus Erythematosus Disease Area (mCLASI) という指標では15.6%を示しました。また、関節炎に関する奏効率の差は、SLEDAIで8.2%、 BILAGで11.8%、および関節の改善で12.6%を示しました。
TULIP-1試験およびTULIP-2試験において、anifrolumabに関する最も高頻度に報告された有害事象は、上気道感染症、気管支炎、点滴関連事象および帯状疱疹が挙げられました。
なお、同社によるSLEを適応とするanifrolumabの承認申請は、米国、EUおよび日本の規制当局により現在審査中であり、現在承認されている国や地域はありません。