完全ヒト抗CD20モノクローナル抗体ケシンプタ、多発性硬化症(MS)治療薬として発売
ノバルティスファーマ株式会社は5月24日、多発性硬化症(MS)治療薬「ケシンプタ(R)皮下注20mgペン」(一般名:オファツムマブ)を同日発売したと発表しました。効能又は効果は以下の通りです。
下記患者における再発予防及び身体的障害の進行抑制
再発寛解型多発性硬化症
疾患活動性を有する二次性進行型多発性硬化症
完全ヒト抗CD20モノクローナル抗体であるケシンプタは、主にリンパ節のCD20陽性B細胞表面に結合することでB細胞の融解および減少を誘発します。B細胞はMSの障害進行の原因となる炎症性サイトカイン産生やT細胞の異常活性化を促します。そのため、B細胞の除去はMSの効果的な病態修飾や優れた臨床的有効性の発現につながると考えられています。
ケシンプタは MSに対するB細胞を標的とする治療法として国内初の薬剤であり、ペン型デバイスを用いて月1回皮下投与で治療可能。初回、1週後、2週後、4週後、それ以降は4週間隔で投与されます。
ケシンプタの発売に際し、同社代表取締役社長のレオ・リー氏はリリースで、「MSは、治療薬の有効性と安全性のバランスや、患者さんの予後不良因子や症状、および希望する剤型やライフスタイルに合った投与頻度に鑑みて薬剤選択をする必要があり、治療選択肢が限られることが課題となっています。 この度発売された『ケシンプタ』は、このように複雑な背景をもつMS治療のアンメットニーズを満たす薬剤として、患者さんに貢献するものとなることを確信しています」と述べています。