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クロウ・深瀬(POEMS)症候群治療薬として世界で初めてサリドマイドが承認

千葉大学病院は「クロウ・深瀬(POEMS)症候群」について、サリドマイドが治療薬として承認されたことを発表しました。千葉大学病院を中心に全国12の施設で医師主導治験に取り組んでおり、藤本製薬より薬事申請しました。

クロウ・深瀬症候群は免疫に関わる形質細胞に異常が起こり、血管内皮増殖因子(VEGF)と呼ばれる特殊なタンパク質が分泌され手足のむくみや胸水、腹水、末梢神経障害などの症状がみられる難病で、POEMS症候群とも呼ばれます。多発性骨髄腫に近い疾患で、多くの臓器が障害され全身性に症状が出ます。50歳前後での発症が多く日本国内には400名程度の患者がいると推定され、適切な治療が行われない場合には平均生存期間は約33か月とされます。重篤な疾患ですが、患者数が少なく研究があまり進んでいませんでした。

千葉大学病院を代表とする本研究グループはクロウ・深瀬症候群に対し、多発性骨髄腫の治療にも使われるサリドマイドの医師主導治験を開始しました。サリドマイドは昭和30年代に起きた薬害により販売が禁止されていました。国内で実施された本治験には自己末梢血幹細胞移植の適応とならないクロウ・深瀬症候群患者24名が参加しました。サリドマイドまたはプラセボ薬とデキサメタゾンの併用注を24週間投与したところ、サリドマイド投与群の血清VEGF減少率はプラセボ群と比較して有意に高く改善効果がみられました。

出典元
国立大学法人千葉大学

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