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ロシュ社、Ⅰ型脊髄性筋萎縮症乳児に対するリスジプラム試験結果を公表

ロシュ社は2020年2月25日、Ⅰ型脊髄性筋萎縮症(SMA)の乳児を対象としたEvrysdi™(リスジプラム)の臨床試験であるFIREFISH試験について、用量設定パート(パート1)の結果がThe New England Journal of Medicine(NEJM)に掲載されたことを発表しました。投与後12か月時点で約90%約33%の患者が最低でも5秒間支えなしで座位を保つことができました。

脊髄性筋萎縮症(SMA)は脊髄の運動神経細胞が変性することで体の筋肉がやせ細っていく遺伝性の病気です。発症年齢や重症度に応じてⅠ型からⅣ型までの4種に大別され、Ⅰ型は小児期に発症し重症となることが知られます。Ⅰ型は約2万人の出生に対し1人程度の発症率と推定されいます。SMA発症の原因遺伝子はSMN遺伝子であることが分かっており、SMN1遺伝子がうまく機能しないために十分なSMNタンパク質が作られないために疾患が進行します。

リスジプラムはSMAに対する初めての経口投与役として開発が進められています。中枢神経系および全身のSMNタンパクレベルを増加させることを目的に設計されており、筋委縮や筋力低下を主症状とするSMAに効果があると期待されています。 FIREFISH試験は乳児21名に対し14.8か月間(中央値)の治験薬投与が行われました。投与開始12か月の時点で90%(19/21名)で人工呼吸器を使用せずに生存、33%(7/21名)で最低5秒間の自立座位を保持することができました。低用量または高用量で効果を確認する試験において、両群で12か月にわたり嚥下機能が維持され、86%の乳児(18/21名)が12か月時点で単独または給餌チューブと併用することで経口摂取が可能という結果が得られました。有害事象においては発熱、上気道感染症、下痢などが見られ、肺炎などの重篤な事象も報告されました。

出典元
中外製薬(ロシュグループ)ニュースリリース

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