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デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する遺伝子治療の可能性

日本新薬株式会社は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対する新規治療薬「ビルトラルセン」に関するプレスセミナーをZOOMにて開催いたしました。ビルトラルセンは今年3月に厚生労働省より製造承認申請を受けた核酸医薬品です。本セミナーではビルトラルセンの作用機序や開発経緯に加え、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療最前線に関わる講演が行われました。

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センタートランスレーショナル・メディカルセンター長 小牧宏文先生「デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の診断と治療の最前線」(コメント一部抜粋)

「重要視している“キーワード”は2つ。『プロアクティブケア(先回りの医療)』と『シェアリング』です。 『プロアクティブケア(先回りの医療)』が重要な理由は、神経系の希少疾病は進行がゆっくりである場合が多いためです。様々な背景を持つ人が連携し、できることを積み重ねていくことが長い目でみた際に大きな力となります。ここで重要になるのは、疾患の経過(自然歴)に関する情報。自然歴を踏まえ定期検査、ケアを積み重ねていく姿勢が大切です。『シェアリング』が重要な理由は、人一人では筋ジストロフィーは解決できないことから様々な人と力を合わせることが必要なためです。労力・データ・成果、この3つのシェアリングが非常に重要と考えています。」

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 神経研究所遺伝子疾患治療研究部 部長 青木吉嗣先生 「エクソン・スキップ薬の作用メカニズム・ビルトラルセンの開発経緯について」(コメント一部抜粋)

「DMDは、1/3500人程度の割合で男児が主に発症する疾患です。(中略)エクソン53に作用する『ビルトラルセン』の開発は2012年から開始しました。私達が治療薬を考える上で最も大切にしていることは、運動機能が回復するかどうか。研究では、患者の運動機能を改善させることができるという仮説のもと治療を安全に行えることを証明してまいりました。今後は、エクソン・スキップ薬をより多くの患者さんに適用できるようにしていきたいと考えています。(中略)核酸医薬であるビルトラルセンの最大の特徴は安全性が確認されている点にあると考えています。」

日本新薬株式会社 研究開発本部 創薬研究所長 高垣和史博士
「ビルトラルセン開発経緯ならびに製品概要について」(コメント抜粋)

「日本新薬は、2000年から核酸医薬の研究を開始いたしました。核酸医薬品は、標的遺伝子への正確なターゲティングができることから高い選択性を持ちます。蛋白ではなく遺伝情報を担う核酸へ作用し、これまでの医薬品ではアプローチできなかった標的に作用することが可能です。さらに、開発コストの軽減・新薬開発の効率を向上させることができるのも特徴の一つです。現在行っている開発では、他のエクソンを標的とする薬の開発を進めています。この開発が成功すれば、DMD患者の41%の方を治療することができます。核酸医薬品は、従来アプローチできなかった部分に作用させることが可能なことから、遺伝性疾患へのアプローチとして非常に有力と考えています。『ビルトラルセン』にみられる治療効果をより多くの患者さんに広げるべく、これまで治療法がなかった他の疾患についても開発を進めてまいります。」

出典元
プレスリリース
デュシェンヌ型筋ジストロフィーを知る

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