アプリを通じIBD患者の生活を体験
武田薬品工業株式会社は医療系学生を対象に、炎症性腸疾患(IBD)患者さんの生活を体験可能なオンラインシミュレーションプログラム「In Their Shoes」を実施したことを発表しました。このプログラムはスマートフォンを通じてIBD患者さんの生活を体験し、当事者の気持ちをより理解できるようになることが目的です。このプログラムはIBD患者さんの協力のもとで開発されました。
IBDは高頻度の下痢や下血、腹痛に加え発熱を伴うこともあります。外見からはわかりづらい疾患のため、学校や職場などで、周りからの理解を得られず悩みを抱えながら生活を続けざるを得ない場面もあります。今回のプログラムでは、IBDが発症しやすい年齢層でもある20代の医療系学生を対象に、IBD患者さんの生活の悩みを理解してもらうことを目的としています。
参加者の声
「IBD患者さんの日常生活を体験することによって、宴会の料理が食べられない、トイレが混雑していたら間に合わないなど、IBD疾患を自己管理しながら日常生活を送ることの難しさや患者さんの気持ちを理解できました」
「IBDは見た目だけでは分からない病気だからこそ、IBD患者さんが病気について話しやすい雰囲気、それを聞いた周りが受け入れる雰囲気が大切だと感じました。そのための一歩として、まずはこの病気について知っている人が増えるといいなと思いました」
などの声があがりました。
IBDについて
炎症性腸疾患は潰瘍性大腸炎およびクローン病を主とする慢性、もしくは寛解と再燃を繰り返す炎症性の疾患です。潰瘍性大腸炎は口腔から肛門にかけての消化管のどの部位にも炎症が生じる可能性があります。中でも小腸や大腸、肛門周辺に症状が起こることが多いです。クローン病は大腸の粘膜を中心に症状がみられ、再燃と寛解を繰り返すことが多いです。