givosiran、急性肝性ポルフィリン症に対しEUで承認を取得
アルナイラム社は3月3日、givosiranについて、急性肝性ポルフィリン症の成人および12歳以上の未成年患者に対する承認を欧州委員会(UC)より取得したことを発表しました。急性肝性ポルフィリン症(AHP)は、ヘモグロビンが作られる過程で生じるポルフィリン体が異常に蓄積することによって発症する遺伝性の難病です。重度の腹痛のほか、嘔吐やけいれんなども見られます。
アルナイラム社のCEOである John Maraganore博士は今回の承認について
本日の givosiran の承認は、この深刻な遺伝性の疾患を抱えながら暮らす患者さんとそのご家族にとって歴史的瞬間を記すものとなります。EU にはこれまで、多くの患者さんを苦しめる発作の頻度を減らし、慢性疼痛を軽減することを示すデータが得られた承認薬がなかったからです。givosiran はアルナイラム社が過去 18 カ月の間に承認を取得した 2 つ目の RNAi 治療薬です。この治療薬を EU の患者さんに届けられることを誇りに思います。そして、この承認取得を可能にしてくださるために支援し関与してくださった患者さん、ご家族、治験担当医師および治験関係者の皆様に感謝申し上げます。
https://www.alnylam.jp/sites/default/files/news-articles/JP_Givo_EMA_approval.pdf
とコメントしています。
givosiran について
givosiranは第Ⅲ相試験において、プラセボ群と比較して入院や緊急訪問診療などが必要になる程度の発作が起こる割合を低下させることが示されました。AHPの発症に関与すると考えられているタンパク質に作用するRNAi治療薬であり、このタンパク質を減少させることでAHPの発作を減少させます。RNAiとは、遺伝子サイレンシング(遺伝子からタンパク質が作られる工程を抑制すること)と呼ばれる現象で、広く生物に保存されている機能です。種々の分野で注目され、急速に進歩している研究分野です。