ハンチントン病のアンチセンスRNA薬、重篤有害事象なし
指定難病の「ハンチントン病」に関して、アンチセンス医薬品として開発中の薬が、治験のフェーズ1-2a相試験で重篤な有害事象は見られませんでした。さらに、ハンチントン病で問題となる異常型HTTも用量依存的に低下していきました。
ハンチントン病は、舞踏運動などの不随意運動、行動異常、精神症状、認知障害を主な症状とする疾患で、Huntingtin(HTT)遺伝子の変異により異常型HTTタンパク質が脳内に蓄積することで、脳内で重要な役割をするタンパク質やmRNAに影響を与えることが原因と言われています。現在は症状を緩和するような治療法しかなく、根治療法が望まれています。
今回開発されているアンチセンス医薬はアンチセンスオリゴヌクレオチドという物質を使っており、同じような原理を使った薬として実際に使われているものとして近年承認されたSMAの治療薬のスピンラザというものもあります。このように新しい技術や原理は他の疾患へも転用されていくため、様々な新しい科学的発見に注目していく必要がありますね。