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潰瘍性大腸炎による上皮再構築メカニズムと発がんとの関係を解明

京都大学の小川誠司 医学研究科教授(兼・高等研究院ヒト生物学高等研究拠点(ASHBi)主任研究者)、垣内伸之 同助教(兼・同研究者)、妹尾浩 同教授、宮野悟 東京大学教授らの研究グループは、潰瘍性大腸炎による上皮再構築メカニズムと発がんとの関係を解明しました。

潰瘍性大腸炎は国の指定難病にも指定されている特定疾患で(指定難病97)、大腸の粘膜に潰瘍が起こる疾患です。腹痛や下痢の頻発、下血などが主な症状としてみられます。日本国内には約17万人近い患者さんがいると推定されており、患者数は年々上昇傾向にあります。
多くの患者さんでは活動期と寛解期(症状の落ち着いている時期)を繰り返します。なるべく寛解期を維持するためにも内科的治療を続けることが重要です。

今回の研究では、長期間潰瘍性大腸炎の炎症に曝された大腸の粘膜と潰瘍性大腸炎を背景に発症する大腸がんに関連するゲノム解析が行われました。その結果、潰瘍性大腸炎に長期間罹患していた患者の大腸上皮において、大腸がんでみられる遺伝子変異の他、IL-17と呼ばれる炎症関連因子の情報伝達経路に遺伝子変異のある細胞が増加していることが明らかになりました。こうした結果より、潰瘍性大腸炎および大腸がんの新規治療法や予防法の開発が進むことが期待されます。

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