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網膜色素変性の医師主導治験3月開始、京大グループ

視力が徐々に低下し失明することもある目の難病「網膜色素変性症」について、京都大の池田華子准教授らのグループは21日、肝硬変の治療薬として使われている薬剤「分岐鎖アミノ酸製剤」を患者に投与する医師主導治験を3月から始めると発表した。

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RareS.コメント

指定難病の「網膜色素変性症」に対して、現在肝硬変の治療薬として使われており、生体内物質もあるBCAA(分岐鎖アミノ酸、すなわち、バリン・ロイシン・イソロイシン)を投与する医師主導治験が3月から始まることになりました。

網膜色素変性症は、原因となる遺伝子異常は多種類の疾患で、様々な型が存在する病気です。視野の狭窄や暗いところで見えにくくなるなどを初発症状として、進行していくことが知られており、確立された治療法はありませんが、日夜進行抑制薬やIPS細胞による再生医療、人工網膜、網膜移植など様々な治療法の研究が進んでいます。

これまでの研究で網膜色素変性症を再現したマウスでBCAAを投与することで症状の進行を遅らせることができたということをもとに、来年12月末を終了のめどとして70名を対象とした治験を行っていくということです。

先日紹介した「タウリン」と同じくこちらも既存薬であり、アミノバリューやアクエリアスといったスポーツドリンクにすでに少量ながら入っている他、そもそも生体内物質(体の中に元々ある物質)でもあることからも副作用の可能性は極めて低く、安価です。こうしたドラッグ・リポジショニング(すでにある薬が他の疾患にも適用していくこと)に引き続き期待していきたいですね。

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