乾癬性関節炎と強直性脊椎炎におけるfilgotinibのポジティブな臨床試験結果をLancet誌に発表
ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダッ ク:GILD、以下「ギリアド」)とガラパゴスNV(ユーロネクストおよびナスダッ ク:GLPG)は、本日、乾癬性関節炎と強直性脊椎炎の患者を対象とした現在開発中の選択的JAK1阻害剤 filgotinibの2件の …
RareS.コメント
乾癬性関節炎と指定難病の「強直性脊椎炎」に対して行われているfilgotinibの臨床試験結果がポジディブなものであったということが発表されました。
乾癬性関節炎は、皮膚に炎症が起きることで、ぼろぼろとはがれていく乾癬という症状に、指先や手首などの関節に腫れや痛み、関節の変形をきたす疾患です。白人に多く、日本人には比較的少ないものの男女差なく20代なかばを中心に10万人ほどいると言われています。
強直性脊椎炎は、脊椎や骨盤などの比較的大きな関節を中心に炎症が起きる原因不明のリウマチ性疾患です。病気が進行するにつれ、脊椎や関節の動きが悪くなり、20~30%の症例では、脊椎が固まって動かなくなる(強直)と言われています。
白血球にHLA―B27という抗原が発言していることがこの病気と関係していると言われており、日本人には諸外国と比べて極めて少ないと言われており、そのため診断確定まで平均で9年前後要すると言われています。非ステロイド性炎症薬(NSAIDs)により炎症を抑えることが薬物治療の中心ですが、同時に運動療法も基本的な治療として行われています。
乾癬性関節炎においては、現状の治療薬で不十分な患者においてACR20やACR50といった関節リウマチ評価で使用される指標で有意に改善が見られ、他の指標においても同様の結果が得られました。
強直性脊椎炎においては、ASDAS(強直性脊椎炎活動性スコア)においても有意な改善が見られました。
現在このfilgotinibはどの国でも承認されておらず、有効性・安全性は現状では確立していません。そのため、承認された場合でも、日本に届くには少し時間を要することが想定されますが、注目していきたいですね。