病気と向き合いながら生きる力|新穂レアズさん:全身性エリテマトーデス(SLE)

全身性エリテマトーデス(SLE)という自己免疫疾患と向き合いながら、前向きに日々を過ごす新穂レアズさん。見た目ではわかりにくい病気だからこそ感じる不安や葛藤、そしてその中で見つけたやりがいや希望について、語っていただきました。
これまでの経緯
- 2011年4月 円形脱毛を発見
- 2016年3月 両足のすねに赤い発疹を確認(痛みやかゆみはなし)
- 2020年11月 脳梗塞を発症し入院。その際の血液検査で貧血が見つかり、総合診療科での精密検査を経て全身性エリテマトーデス(SLE)と診断。
全身性エリテマトーデス(SLE)とは
全身性エリテマトーデス(SLE)は、免疫システムが自分の体を攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一つです。
全身のさまざまな臓器に炎症を起こすことがあり、症状は非常に多様です。
典型的な症状には関節痛、皮膚の発疹、脱毛、倦怠感、発熱、腎炎などがあり、症状の出方には個人差があります。
慢性的な病気であるため、完治は難しく、薬によるコントロールが基本となります。
病気との日常生活

一番つらいのは、“なんでこんなに疲れているのか”が自分でもわからないことです。
見た目では元気そうに見えるのに、体が思うように動かない。
そのギャップに苦しむことがあります。
毎日の生活では、規則正しいリズムを守るよう心がけています。
無理をしすぎないことが大切で、調子が悪い時は家族や周囲の人に助けを求めることも必要です。
外出時には一本杖を使用しており、荷物が持てなかったり、傘をさすのが難しかったりと、日常のちょっとしたことでも工夫が求められます。
気持ちが沈むこともありますが、好きな音楽を聴くことで気分転換を図っています。
音楽って、気持ちに寄り添ってくれるんですよね。
落ち込んでいる時も、そっと支えてくれるような気がします。
仕事との向き合い方
全身性エリテマトーデス(SLE)と診断された後、仕事に対する考え方にも変化が生まれました。
できることを、無理なく、周囲に迷惑をかけない範囲で続けたいと思うようになりました。
現在は復職に向けて準備中で、社会とのつながりを持ち続けることの大切さを感じています。
職場では、自分の体調をきちんと説明し、理解を得ることを意識しています。
人の話をよく聞いて、自分のことも丁寧に伝える。
それが信頼関係を築く第一歩だと思っています。
生きがいや支え
これまででやってよかったと思えることは、早めに病院を受診したことです。
あれっと思った時に迷わず相談することで、重症化を防げたと思います。
自分の経験が誰かの役に立つのなら、どんな形でも伝えたいです。
特に、病気や障害について知らない人が多いことを実感しているので、もっと関心を持ってもらえたらと思います。
家族や友人、支援団体との関わりも大きな支えです。
体調が悪い時には助けてもらい、良い時には一緒に楽しむ。
その関係性が生活を豊かにしています。
これからの目標

今は、復職に向けてリズムを整えているところです。
働くことで社会とのつながりを感じられるし、誰かの役に立てるという実感も得られます。
今後は、同じように病気や障害を抱える人とつながり、支え合える場を作りたいという希望も持っています。
自分自身も、かつては病気や障害に無関心だったけれど、今は“困ったときは助け合える社会”になってほしいと思うようになりました 。