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抗利尿ホルモン(ADH)不適切分泌症候群Syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone

小児慢性疾患分類

疾患群5
内分泌疾患
大分類7
抗利尿ホルモン(ADH)不適切分泌症候群
細分類10
抗利尿ホルモン(ADH)不適切分泌症候群

病気・治療解説

概念

抗利尿ホルモン不適切分泌症候群(syndrome of inappropriate secretion of ADH: SIADH)は、低浸透圧血症下でもADHの分泌が抑制されず、水利尿不全を生ずる病態である。低ナトリウム血症のうち、体内ナトリウム量に変動の無い、稀釈性の低ナトリウム血症に該当する。

病因

中枢神経疾患(脳炎、髄膜炎など)、肺疾患(細気管支炎、肺炎など)、薬剤(カルバマゼピン、ビンクリスチンなど)などが原因となる。小児では一過性のものが多く、成人に多い肺小細胞癌などの悪性腫瘍に伴う持続性の症例は稀である。

診断

血清ナトリウム濃度が 135mEq/L 未満で、血漿浸透圧が 275mOsm/kg 未満であることを確認する。
次いで、腎機能・副腎機能に問題が無いことを確認する。尿濃縮力も保持されているため、高張尿となる。
血漿レニン活性が ≦5ng/ml/時、血清尿酸値が ≦5mg/dL以下となることが多い。
血漿AVP値は、血漿低浸透圧に比して不相応に高値となる。

治療

水分制限として、1日の総水分摂取量を尿量と不感蒸泄量程度にする。
血清ナトリウム値が 120mEq/L 以下で中枢神経症状を伴うときは、利尿薬のフロセミドを併用しながら 3% 高張食塩水の点滴静注を行う。
1日の血清ナトリウム濃度上昇は 10mEq/L 以下とする。選択的V2受容体拮抗薬は、AVP異所性産生腫瘍が適応となる。

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。

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