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スティッフパーソン症候群と関連疾患Stiff person syndrome and related disorders

小児慢性疾患分類

疾患群-
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大分類-
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細分類-
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[Orpha番号:ORPHA3198]

スティッフマン症候群(stiff man syndrome:SMS)は、体幹および四肢の変動する硬直、有痛性の筋攣縮、課題特異的な恐怖症、過剰な驚愕反応、および腰椎の固定された過前弯などの強直性の変形から構成される、まれな神経疾患である。

病気・治療解説

疫学

有病率は約1/1,000,000と推定されている。全患者の約2/3が女性である。

臨床像

発症年齢のピークは約45歳であり、症状は数カ月または数年かけて進行する。進行性の筋硬直により体幹および股関節が動かなくなり、歩行はこわばりぎこちなくなる。そこに有痛性の自発性または反射誘発性筋攣縮が加わることにより、深刻な転倒を来す恐れがある。広い空間を横切ることに対する特異的な恐怖(偽性広場恐怖[pseudo-agoraphobia])により、歩行の硬直、突然の攣縮、および転倒が生じることがある。局所神経脱落徴候はない。他の臨床病型のSMSとしては、一肢のみに症状が現れるstiff limb症候群(stiff limb syndrome:SLS)や、硬直およびミオクローヌス性の攣縮に局所神経脱落徴候を合併する疾患である筋硬直とミオクローヌスを伴う進行性脳脊髄炎(progressive encephalomyelitis with rigidity and myoclonus:PERM)などがある。SMS、SLS、PERM患者の多くがインスリン依存性糖尿病(30%)、自己免疫性甲状腺炎(10%)、または悪性貧血を伴う萎縮性胃炎(5%)を合併し、乳癌、肺癌、大腸癌を合併する患者もいる。

病因

70%を超える症例で抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)抗体が存在することから、自己免疫性の発生機序が示唆される。抗GAD抗体は、抑制性神経伝達物質である、γ-アミノ酪酸(GABA)の合成を阻害することにより、脊髄運動ニューロンの抑制を減弱させる。

診断方法

診断は基本的に臨床的な観察に基づき、血清中の抗GAD抗体の同定および筋電図の特徴的な異常によって支持される。脊髄の画像検査は、嚢胞または脊椎椎間板の圧迫といった機械的原因を除外するのに役立ちうる。髄液中の抗GAD抗体を同定し、活動性の炎症を除外するために髄液検査を行う必要がある。

鑑別診断

鑑別診断としては、脊髄疾患の非定型的な発現(例、多発性硬化症;腫瘍)、軸性ジストニア(axial dystonia)、ニューロミオトニア、後天性の過剰驚愕症(びっくり病)、心因性の運動障害(これらの用語を参照)などがある。

管理および治療

ベンゾジアゼピン系薬剤およびバクロフェンは対症療法に用いられる標準的薬剤である。免疫調節療法(コルチコステロイド、静注免疫グロブリン、およびプラズマフェレーシス)が提案されているが、成績は様々である。治療はSMSおよびSLSの患者の大半で、症状のコントロールに役立つ。それと比べてPERMは、ややコントロールが難しく、予後不良な場合がある。

翻訳情報

専門家による英語原文の校閲
Pr Hans-Michael MEINCK
日本語翻訳版の監訳
松井 尚子(難治性疾患政策研究班「神経免疫疾患のエビデンスによる診断基準・重症度分類・ガイドラインの妥当性と患者QOLの検証」)
日本語版URL
https://www.orpha.net/data/patho/Pro/other/Stiffpersonshokoguntokanrenshikkan_JP_ja_PRO_ORPHA3198.pdf
英語原文URL
http://www.orpha.net/consor/cgi-bin/OC_Exp.php?lng=EN&Expert=3198

最終更新日:2007年8月
翻訳日:2019年3月

本要約の翻訳は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの資金援助の下で行われています。

注意事項

※本要約は情報の提供を唯一の目的として公開しているものです。専門医による医学的ケアの代わりとなるものではありません。本要約を診断や治療の根拠とすることはお控えください。

※この情報は、フランスのOrphanetから提供されており、原文(英語)がそのまま日本語に翻訳されています。このため、診断(出生前診断・着床前診断を含む)・治療・遺伝カウンセリング等に関する内容が日本の現状と合っていない場合や国内で配信されている他の媒体と一部の内容が異なる場合があります。保険適用に関する診断基準など、国内の医療制度に準拠した情報が必要な場合は、厚生労働省の補助事業により運営されている難病情報センターや小児慢性特定疾病情報センター等の専門情報センターのホームページをご参照ください。

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