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せんてんせいみおぱちー
先天性ミオパチーongenital myopathy

指定難病111

先天性ミオパチー
ネマリンミオパチー
セントラルコア病
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中心核ミオパチー
中心核病
先天性筋線維タイプ不均等症

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病気・治療解説

概要

生まれながらに筋組織の形態に異常があり、そのため生後間もなく、あるいは幼少期から、「筋力が弱い」、「体が柔らかい」などの筋力低下に関わる症状を認める病気です。幼少期では、本来なら歩行を獲得している時期でも、「まだ歩けない」などの運動発達の遅れとして病院を受診されることがあります。大人になってから症状を自覚する成人型では、「力が入りにくい」、「疲れやすい」といった症状を大人になって急に自覚して受診される方もいます。成人型では、ほかの病気が隠れている場合もあります。呼吸や心臓も筋で動いているので、筋力低下の症状のほか、呼吸や心臓の症状を伴うこともあります。ほかには関節や骨の拘縮などの合併症をみることがあります。それぞれの症状の経過はゆっくりではありますが、進行性の経過をたどります。
診断にあたっては、まず血液検査、筋電図検査、骨格筋画像検査などが行われます。これらの検査結果から「 先天性 ミオパチー」が疑わしい場合には、さらに精密検査が必要になります。診断の確定には、筋生検という筋組織を採取して、顕微鏡で筋組織の構造を確認する検査が必要になります。
「先天性ミオパチー」は顕微鏡の特徴的所見をもとに、いくつかの病型に分類されます。
① ネマリンミオパチー
② セントラルコア病、ミニコア病
③ ミオチュブラーミオパチー、中心核病
④ 先天性筋線維タイプ不均等症、全タイプ1線維ミオパチー
⑤ その他、分類不能な先天性ミオパチー
といった分類が代表的ですが、ほかに特殊な病型もあります。また特徴的な顕微鏡所見を認めず、筋力低下などの筋症状と、顕微鏡で 非特異的 な所見を示すのみで、⑤分類不能な先天性ミオパチー、と診断される方もいます。それぞれの病型でいくつかの遺伝子が、病気を起こす原因となっていることが分かってきています。遺伝子によっては、同じ遺伝子の異常であっても異なる顕微鏡所見を示すものもあり、遺伝子 変異 のみから病型分類を確定することはできません(下記4、5を参照)。

罹患数

国内での正確な頻度は不明です。海外の報告では、1000出生あたり0.06人、罹病率は10万人あたり3.5-5.0人とされています。国内にはおよそ1000~3000名の患者さんがいると推定されています。

疫学

生活習慣や住んでいる地域での傾向はありません。ミオチュブラーミオパチーなど一部の病型を除き、男女差も認めません。

原因

すべてに異常が認められるわけではなく、通常、一人の患者さんで認められる遺伝子の異常は1種類です。これらの遺伝子の異常により、骨格筋を構成するたんぱく質が欠損したり、機能がうまく働かなくなったりして、病気が発症すると考えられています。
病気の原因についてすべてが明らかになっているわけではありません。解明できてない点もたくさんあります。先天性ミオパチー全体では、少なくても半数以上の方が、原因となる遺伝子が不明で確定されていません。

遺伝

人の遺伝子は、常染色体上にあるものと性染色体にあるものとにわけられます。常染色体では同一の遺伝子が2個で1対として存在します。 常染色体優性遺伝 とは、それら2個のうち片方に異常があると病気になるもの、 常染色体劣性遺伝 とは2個のうち2個ともに異常があると病気になり1個のみの異常では病気にならないもの、X染色体劣性遺伝とはX染色体上に遺伝子の異常があるもの、があります。
遺伝子は親から引き継がれるものです。しかしなかには、親から子にゆずり受ける時に突然変異を起こし病気となる方もいます。かならず親から伝わっている、というわけではないことに注意が必要です。

症状

① 生後間もなく、あるいは幼少期から、筋力が弱い、体が柔らかい、または発達の遅れなどの筋力低下の症状を認めます。また、成人型では、力が入りにくい、疲れやすいなどの症状を急に認めることがあります。
② 呼吸不全、痰が出しにくい、といった呼吸症状を認めることがあります。呼吸の換気障害は夜から始まることが多く、ゆっくり進行します。そのため息苦しいなどの呼吸症状を訴えることは多くありません。朝なかなか起きられない、夜に十分な睡眠時間はとっているのに日中も眠い、などの症状として自覚することがあります。
③ 心臓の収縮能の低下や、不整脈など心臓の合併症が検査でみつかることがあります。
④ 食欲が落ちる、体重が減るといった栄養面での注意も必要です。
⑤ 側彎、関節が固くなる、⑥ 高口蓋、眼瞼が下がる、眼球の動きが乏しい、⑦ 知的障害、てんかん、などの症状を認めることもあります。これらはすべての病型に認められるわけではありません。認める症状は病型により異なります。適切な病型分類の診断が治療や生活の質を高めるのに大切です。
重症度では、生まれてすぐから、酸素や人工呼吸器を使用しなくてはならない、または哺乳の力が弱く経管をとおしてミルクや栄養投与が必要になる重症型の方がおられます。一方、幼少期以降、運動能力の低下から病気に気づかれ、診断に至る軽症型や成人発症型の方もおり重症度は様々です。

治療法

根治的な治療は存在しません。筋力の低下や、側彎、関節の拘縮などの変形に対しては、リハビリテーション、装具、手術療法がおこなわれます。呼吸障害に対しては人工呼吸器を導入したり、痰を排出しやすくしたりする 呼吸リハビリテーション も有効です。心臓の症状に対しては、お薬が処方されることもあります。体重の維持や栄養管理も重要です。これらは根治的な治療ではありませんが、生活エリア、行動範囲を拡充したり、生活の質を高めたりするのに大切な治療です。

経過

生まれてすぐ、または幼少期、小児期、成人期から筋力低下や呼吸、心臓、関節などの症状を認めます。これらの症状はゆっくりですが進行します。それぞれの症状に対しての症状を改善し、緩和する治療が長期にわたり必要です。

患者さんに知って欲しいこと

歩行可能な状態でも、先に呼吸の筋力低下が進行し、風邪などを引いたのをきっかけに突然、呼吸不全になることがあります。そのため、普段から痰を出しやすくする呼吸リハビリテーションをしておくことが好ましいです。
また運動面では、過剰な運動にさえならなければ、適度な運動は、運動機能、心肺機能、骨格系の可動性や心理面などに良い効果が期待されます。心肺機能が極度に低下している例ではすすめられませんが、担当の先生とよく相談しながら行ってください。

※難病情報センターhttp://www.nanbyou.or.jpより、許可をいただき掲載しております。