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しんけいせんいしゅしょうⅡがた
神経線維腫症Ⅱ型neurofibromatosis type2

指定難病34

他に、神経線維腫症もあります。

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神経線維腫症1型の治療法のない巨大なびまん性神経線維腫に対するラパマイシン外用薬の安全性と有効性探索のためのパイロット試験2014・09・07

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神経線維腫症2型 NF2hope

私たちは神経線維腫症2型の当事者として,
また家族として、日々この病気と向き合っています。

私達が医療情報や体験談を発信することで、同じ病気に苦しむ方々と共有し治療法の拡大を願い、ひとつひとつ基盤作りをしていきたいと思います。

病気・治療解説

概要

左右両側に聴神経腫瘍(正確には前庭神経鞘腫)が発生する遺伝性疾患です。脳神経・脊髄神経・ 末梢神経 に神経鞘腫、頭蓋内や脊髄に髄膜腫など多数の腫瘍が発生します。


造影MRI:両側に聴神経鞘腫がみられる

MRIあるいはCTで両側聴神経腫瘍が見つかれば診断は確定します。また、親・子供・兄弟姉妹のいずれかに神経線維腫症Ⅱ型の方がおられ、本人に(1)片側性の聴神経腫瘍、または(2)神経鞘腫・髄膜腫・神経膠腫・若年性白内障のうちいずれか2種類が存在する場合にも診断が確定します。
また、家族歴がなくても、(1)片側性聴神経腫瘍、(2)多発性髄膜腫、(3)神経鞘腫・神経膠腫・若年性白内障のうちいずれか一つ、のうち2つが見られる場合には神経線維腫症Ⅱ型の可能性があります。

罹患数

外国の報告によれば、発生率は25,000〜60,000人に1人と言われています。日本でも同様の発生率と考えられますが、国内で2009年〜2013年に臨床調査個人票を提出した方は約800人でした。

疫学

人種差や男女差はありません。また、家族歴以外に発症に関与する因子は報告されていません。発症年齢は10歳以下から40歳以上とまちまちですが、多くの方は10~20歳代で発症します。

原因

神経線維腫症Ⅱ型の原因は、体の細胞の中にある染色体のうち第22染色体長腕に存在する遺伝子の異常です。この遺伝子が作り出す蛋白質はMerlinと名付けられています。Merlinは細胞内の情報伝達などに重要であり、正常では腫瘍の発生を抑制する働きがあります。神経線維腫症Ⅱ型の方では、Merlinの遺伝子に異常が生じ、正常なMerlinができないために腫瘍が多発すると考えられています。ただ、どうしてこの遺伝子に異常が起こるのかは分かっていません。

遺伝

この病気は遺伝します。対になった第22染色体のうち、異常のある方が伝わるとお子さんも神経線維腫症II型になります(常染色体優性の遺伝性疾患といいます)。従って、両親のいずれかにこの病気があれば、子供の半数はこの病気になります。
一方で、家族歴がない方も半数以上おられます。これらの方は、個人の胎内での発生過程でMerlin遺伝子に新たに異常が生じたと考えられます。これらの方の両親のMerlin遺伝子には異常が無く、従って、これらの方の兄弟姉妹には神経線維腫症Ⅱ型は遺伝しません。

症状

この病気では、各種の中枢神経腫瘍が生じます。最も多い腫瘍は神経鞘腫で、聴神経鞘腫はほとんどの方に、脊髄神経鞘腫も多くの方に見られ、三叉神経鞘腫もしばしば伴います。また、髄膜腫は約半数の方に合併し、頭蓋内や脊椎管内に多発することがしばしばです。他に脊髄内神経膠腫も伴うことがあります。また、皮下や皮内の神経鞘腫も合併することがあります。
従って、最も多い症状は聴神経鞘腫による症状です。これには、難聴・めまい・ふらつき・耳鳴などがあります。次いで多いのは脊髄神経鞘腫の症状で、これには手足のしびれ・知覚低下・脱力などがあります。また、三叉神経鞘腫の症状として顔面のしびれや知覚低下もおこります。その他、痙攣や半身麻痺、頭痛を伴うことや、若年性白内障のため視力障害を伴うこともあります。

治療法

この病気に伴う腫瘍はほとんどが良性腫瘍ですが、腫瘍による症状が出現したら、手術による摘出が必要です。最も問題になるのは聴神経鞘腫の治療です。聴神経鞘腫を摘出せずに経過を見ると、いずれ聴力はなくなり(何年も変らず経過することもありますが)、腫瘍が大きくなると生命の危険があります。しかし、手術して腫瘍を摘出すると、多くの場合聴力はなくなり、顔面神経麻痺を合併することもあります。腫瘍が小さい内に手術すれば、術後顔面神経麻痺の可能性は低く聴力温存の可能性もありますが、無症状の聴神経鞘腫を手術すべきかどうかは経過をよく見て決める必要があります。腫瘍の成長が明らかな場合や、聴力が低下した場合には、治療が必要です。
外科手術の他に、 ガンマーナイフ などの放射線手術も小さな腫瘍には有効で、多くの場合腫瘍の成長をコントロールすることができます。ただし、聴力の温存率は高くありません。
最近、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)に対する 抗体薬 であるベバシズマブの有効性が海外から報告されています。この薬を点滴すると、約半数の方で腫瘍の縮小や(有効聴力が残っているときには)聴力の改善がみられます。国内では保険適応がありません。

経過

腫瘍の成長は、遅い場合と比較的速い場合があります。腫瘍があっても何年も無症状で経過することや、急速に難聴・めまい・ふらつきや手足のしびれ・脱力などの神経症状が進行することもあります。
経過中に、最も生活上で問題になるのは難聴です。難聴の治療は困難ですので、早めに手話や読唇術などの練習を行うことも必要になります。
両側聴神経鞘腫を放置した場合には、難聴の他に歩行障害や四肢麻痺が進行し、何れ生命の危険が高くなります。また、脊髄神経鞘腫を放置すると、腫瘍の部位に応じて両下肢麻痺や四肢麻痺が進行します。
症状の原因となっている腫瘍や、成長が明らかで症状を引き起こす可能性の高い腫瘍には、手術やガンマナイフ治療などが必要です。腫瘍が多発するため、何度も治療が必要になります。手術には危険性や後遺症が伴いますが、専門医と相談して適切な治療を続けることが病気による症状の進行を防ぐことに繋がります。

患者さんに知って欲しいこと

この病気に必要な日常生活での注意は、特にありません。毎年1~2回の定期検査が必要です。神経学的検査・聴力検査・頭部MRI・脊髄MRI・白内障検査などを受けてください。
遺伝性の病気ですので、家族の方も検査を受けることを勧めます。比較的若年で発症する家系と比較的晩年に発症する家系があります。家系の発症年齢時期には検査を専門病院で受けてください。発症年齢をかなり過ぎても異常が起こらなければ、遺伝の可能性は低いと言えます。

※難病情報センターhttp://www.nanbyou.or.jpより、許可をいただき掲載しております。