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がらくとしありどーしす
ガラクトシアリドーシスGalactosialidosis

小児慢性疾患分類

疾患群8
先天性代謝異常
大分類6
ライソゾーム病
細分類85
ガラクトシアリドーシス

病気・治療解説

概要

ライソゾーム性保護蛋白質/カテプシンA(PPCA)の活性低下が原因である。PPCAは、それ自体がカテプシンA(酸性カルボキシペプチダーゼ、中性セリンエステラーゼおよびデアミダーゼ)としての酵素活性を持つだけでなく、細胞内においてはライソゾーム性シアリダーゼやβ-ガラクトシダーゼと共に高分子複合体を形成して、前者を活性化し、後者を安定化する機能を持つ多機能性糖蛋白質である。このPPCAの遺伝的異常により、一次的なカテプシンA活性の低下と二次的なライソゾーム性シアリダーゼおよびβ-ガラクトシダーゼ活性の低下が起こり、その結果、シアリドーシス(ライソゾーム性シアリダーゼ欠損症)類似の臨床症状を来たす疾患がガラクトシアリドーシスである。

症状

ガラクトシアリドーシスの臨床症状は、シアリドーシスのそれに極めてよく似ている。早期乳児型では、出生時から浮腫や腹水がみられる。粗な顔貌、骨の変形、肝臓や脾臓の腫大、鼠径ヘルニア、臍ヘルニア、心不全、腎不全、呼吸障害や中枢神経障害などの臨床症状を伴い、急速に進行して重症の臨床経過をとる。晩期乳児型では、生後数ヵ月から1~2歳頃に、肝臓や脾臓の腫大や骨変形などの症状で発症するが、その後は比較的緩やかな経過をとる症例が多い。神経症状については、その程度が軽いか、または全く見られない症例が多い。また、この型では、心臓弁膜障害を伴う症例も報告されている。若年/成人型では、5歳以後、多くは10歳以後に視力障害などの症状で発症し、小脳性失調、ミオクローヌス、痙攣発作、錐体路障害、眼底のチェリーレット斑、角膜混濁、粗な顔貌、骨の変形、被角血管腫、リンパ球の空胞化、腎障害、心障害などの多彩な臨床症状が出現する。

診断

眼底のcherry-red spot、尿中の結合型シアリルオリゴ糖の排泄増加が、診断の生化学的所見であり、確定診断は皮膚繊維芽細胞でカテプシンAおよびライソゾーム性シアリダーゼの著明な活性低下とβ-ガラクトシダーゼの中等度の活性低下を証明する。PPCAの遺伝子検査。日本人に多いsplice異常が特徴である。

治療

症状に対する支持療法が中心となる。発症初期の造血幹細胞移植の報告がある。

成人期以降

軽症型では成人期まで生存し、痙攣、ミオクローヌスなどに対する投薬治療が重要である。

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。

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