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きかんしきょうさくしょう・なんかしょう
気管支狭窄症・軟化症bronchial stenosis and bronchomalacia

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病気・治療解説

概念

気管支狭窄症は、体格や気管内腔径から推測される気管支内腔径と比較して、固定性(呼吸性の変動を概ね認めない)の狭窄を気管支に認め、かつそれにともなう症状を呈するものである。
気管支軟化症とは、体格や気管内腔径から推測される気管支内腔径と比較して、呼吸性に大きく変動する(吸気時にはある程度内腔が保たれるが、呼気時には高度の狭窄や閉塞をきたす)狭窄を気管支に認め、かつそれにともなう症状を呈するものである。

病因

気管支狭窄症・軟化症ともに、その気管支内腔径が先天的に細い場合(形成に問題がある場合)と外部からの圧迫(主に大動脈からの圧迫)によって狭窄症・軟化症となる場合がある。

疫学

正確な症例数、発症頻度は明らかになっていない。
臨床症状 Clinical manifestations
狭窄症・軟化症ともに、以下のような症状を呈する。症状の程度は、その狭窄の程度・長さ、その他の基礎疾患の有無によって様々である。
・ 喘鳴
主気管支以下の狭窄性病変では呼気性喘鳴を呈するのが一般的であり、気管支喘息と間違われることも少なくない。気管分岐部に近い部位での狭窄の場合や、気管にも狭窄性病変を合併している場合には吸気時にも喘鳴を聴取する(吸気・呼気ともに聴取する喘鳴)こともある
・ 咳嗽
特徴的な咳嗽を認める。「犬吠様咳嗽」と表現されるが、クループで認めるそれよりは音が低いのが特徴である
・ 繰り返す呼吸器感染症
狭窄による分泌物の貯留が起こりやすく、気道感染を反復することがある。
・ 低酸素血症・呼吸困難
狭窄が高度になると低酸素血症や呼吸困難を呈する。安静時には比較的経度で、啼泣時などに増悪する傾向がある。

診断

診断は内視鏡検査で行う。自発呼吸を残した状態で気管支の観察を行い、狭窄の部位・程度・範囲・呼吸性の変動の有無を診断する。
内視鏡検査の実施が困難な場合には、CT・MRIで狭窄の部位・程度・範囲を同定する。これらの画像検査では呼吸性の変動の有無の診断は困難であり、また狭窄の程度を過大・過小評価することがあることに注意が必要である。
レントゲン透視で気管支径の呼吸性の変動を診断する方法もあるが、乳幼児ではそもそもこの方法での気管支径の推定が困難であること、偽陽性(変動を認めるが、生理的なものを病的と判断してしまう)があることに注意が必要である。

治療

多くの場合、特に気管狭窄症・軟化症を合併していない場合には、保存的に経過観察が可能である。保存的治療を選択する場合には、感染に伴う症状の増悪を管理することが重要である。感染(および感染に伴う呼吸状態の増悪)が管理できれば、狭窄の程度が高度であっても、成長とともに臨床症状は軽減することが期待される。
呼吸状態の急性増悪時には、気道確保を念頭において治療に当たることが重要である。第一選択はNPPV(非侵襲的陽圧呼吸)であるが、十分改善が得られない場合には気管挿管での人工呼吸管理を行う。いずれの場合でも、high-PEEP療法(十分な呼気終末陽圧をかけて気道の虚脱を予防する)が基本となる。
呼吸管理からの離脱が困難な場合や、離脱はできたが自宅での管理が危険な場合に外科的治療を考慮する。

・ 狭窄部位の切除・端々吻合
狭窄部位が単独で短い場合には、狭窄部位の切除・端々吻合を検討する。

・ 血管吊り上げ術(大動脈胸骨固定術)
軟化症(狭窄症)の原因が、大血管(大動脈、大動脈+肺動脈)による外部からの圧迫が原因の場合に選択する。

・ 外ステント術
高度の軟化症で、その原因が外部からの圧迫ではない(圧迫を解除した後も症状が持続する)場合に外ステント術を検討する。気管軟化症合併例(気管分岐部が含まれる場合など)などでも実施可能であるが、肺内気管支の病変には実施できない。

・ 内ステント術
狭窄部位があるていど限局されており、その他の治療が困難な場合に(救命的に)選択されることがある。長期的には合併症(出血・肉芽、成長に伴いステント留置部位が狭窄部位となる)も多いので、その適応範囲は限定されている。

・ 気管切開(および陽圧人工呼吸管理)
多発性の気管支軟化症などで外科的治療での改善が困難な場合には、気管切開の上陽圧人工呼吸管理を行うことがある(気管切開チューブによる、気管狭窄・軟化症に対する内ステント効果を期待して行われる場合もある)。

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。