あらじーるしょうこうぐんアラジール(Alagille)症候群Alagille's syndrome
指定難病297
他に、アラジール症候群もあります。
小児慢性疾患分類
- 疾患群12
- 慢性消化器疾患
- 大分類8
- 肝内胆汁うっ滞性疾患
- 細分類24
- アラジール(Alagille)症候群
アラジール症候群
病気・治療解説
指定難病297のアジール症候群は、生まれつき肝臓や心臓などの臓器に合併症を有する先天性疾患です。その症状は、肝臓、心臓や血管、眼、椎骨、特徴的な顔の5つですが、必ずしもすべての症状がそろうわけではありません。日本には、200~300人の患者さんがいると推定され、世界的には30,000~70,000人に1人といわれています。
アジール症候群の原因は、20番染色体に存在するJAG1遺伝子の変異が知られ、少数ではありますが1番染色体のNOTCH2という染色体の変異もあります。ただし、アラジール症候群の特徴を満たす方の全員にこれらの変異がみつかるわけではありません。
この変異は両親から受け継ぐことが多いとされ、両親のどちらかが保因者である場合、遺伝子変異を受け継ぐ可能性は1/2で、遺伝子変異の保因者もしくはアラジール症候群である可能性があります。しかし、遺伝子変異があっても軽症や無症状である場合もあります。
アジール症候群の症状は多彩で、軽症から重症まで幅広く認められます。出生後、早い時期には黄疸で気付かれるケースが多く、心雑音など心臓の病気で気付かれることもあります。その他には、胆汁うっ滞に伴う痒みやビタミン吸収の障害による出血や骨折などがあり、特徴的な顔つきは幼児期から目立ってきます。腎臓病やもやもや病など血管の病気で気付かれるケースもあります。
アジール症候群の治療法としては、胆汁うっ滞がある場合、ビタミンKを内服・点滴をします。そのほかの脂溶性ビタミン、利胆剤や胆汁うっ滞による痒みを軽減する薬を内服します。肝硬変になった場合、肝移植が行われることがあります。そのほか、部分胆汁瘻という外科手術も試みられています。重症の心臓病がみられる場合、カテーテル治療や外科手術が必要になることもあります。重症の腎臓病がみられる場合には、透析や腎移植が必要になることもあります。
実施中の治験/臨床試験
募集中
- オデビキシバット(A4250)のアラジール症候群患者における安全性及び有効性を評価する非盲検第III相試験|アラジール症候群|令和6年9月17日公表
(最終更新:2024年10月2日)