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ちゅうどくせいひょうひえししょう
中毒性表皮壊死症Toxic epidermal necrolysis

指定難病39

中毒性表皮壊死症

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募集中

重症薬疹における長期予後の調査研究2014・03・30

募集中

重症薬疹における薬剤特異的細胞傷害性T細胞に関する検討2014・03・30

病気・治療解説

概要

中毒性表皮 壊死 症(TEN)はライエル症候群とも呼ばれ、高熱や 全身倦怠感 などの症状を伴って、口唇・口腔、眼、外陰部などを含む全身に紅斑(赤い斑点)や水疱(水ぶくれ)、びらん(ただれ)が広範囲に出現する 重篤 な疾患です。中毒性表皮壊死症とスティーブンス・ジョンソン症候群は重症多形滲出性紅斑と呼ばれる1つの疾患群に含まれ、大部分の中毒性表皮壊死症はスティーブンス・ジョンソン症候群から進展して生じます。本邦では、水疱、びらんなどで皮膚が剝けた状態が体表面積の10%未満の場合をスティーブンス・ジョンソン症候群、10%以上の場合を中毒性表皮壊死症と診断しています。

罹患数

スティーブンス・ジョンソン症候群と中毒性表皮壊死症を合わせた重症多形滲出性紅斑全体で、年間人口100万人当たり1~10人程度発症すると推定されています。厚生労働省研究班の調査によれば、中毒性表皮壊死症は年間人口100万人当たり1.3人発症すると云われています。

疫学

小児~高齢者まで幅広い年齢層に、男女を問わず生じます。

原因

原因は詳しくはわかっていませんが、薬剤や感染症などがきっかけとなり、主として皮膚や粘膜に病変が起こると推測されています。感染症としてはマイコプラズマ感染症やウイルス感染症にかかった場合に出現しやすくなる傾向があります。また、薬剤として多いのは消炎鎮痛薬(痛み止め、熱冷まし)、抗菌薬(化膿止め)、抗けいれん薬、高尿酸血症治療薬などです。また、総合感冒薬(風邪薬)のような市販薬も原因になることがあります。

遺伝

この病気自体は遺伝しませんが、近年、ある特定の薬剤により起こる病気は、特定の遺伝的な素因(体質)を持っている人に発症しやすいことが明らかになってきています。

遺伝的素因 + ある特定の薬剤→中毒性表皮壊死症発症の可能性

症状

高熱、のどの痛み、全身倦怠感、食欲低下などとともに皮膚や粘膜に病変が出現します。皮膚では全身に大小さまざまな紅斑、水疱、びらんが多発し全身に拡大します。水疱はすぐに破れてびらんになります。口唇・口腔粘膜、鼻粘膜には発赤、びらんが出現し、疼痛があります。眼では結膜の充血、眼脂(めやに)などが出てきます。さらに、尿道口や肛門周囲にもびらんが生じて、疼痛や出血をきたすことがあります。皮膚・粘膜病変の進行が非常に早く、症状は急激に悪化し重篤な状態になります。時に上気道粘膜や消化管粘膜を侵し、呼吸器症状、消化管症状を生じることもあります。

治療法

入院して治療を受ける必要があります。皮膚や粘膜の症状に加えて肝臓や腎臓などの様々な臓器にも障害が起こるので、この状態も考慮しながら、副腎皮質ステロイド薬を中心に治療します。しばしば短期間に大量の副腎皮質ステロイド薬を点滴で投与する治療(ステロイドパルス療法)が行われます。 免疫グロブリン 製剤を大量に投与することや 血漿 を入れ換えるような 血漿交換療法 を併用して治療することがあります。経過中に細菌感染症や多臓器の障害が起こるので、採血など頻回に行って治療を進めます。

主な治療法
・副腎皮質ステロイド療法
・ステロイドパルス療法
・免疫グロブリン製剤大量静注療法
・血漿交換療法

経過

適切な治療により回復しますが、しばしば 敗血症 、 多臓器不全 などにより死亡する場合があります。本邦及び海外の報告によれば、死亡率は20%~40%といわれています。皮膚や粘膜の病変の範囲が広い場合、高齢者、コントロール不良の糖尿病、重症の循環器疾患や腎疾患を有している方では死亡率が上昇します。また、皮膚が治癒したあとも呼吸器の病変が長引くと閉塞性細気管支炎という後遺症を残すこともあります。眼が侵された場合にはまぶたと眼球結膜の癒着、角膜の潰瘍、視力障害、ドライアイなどの症状が残ることがあります。爪の変形や脱落なども認められます。

患者さんに知って欲しいこと

何らかの薬を飲んでいて38℃以上の高熱、口唇・口腔のびらん、眼の充血、皮膚の広範囲に紅斑が生じた場合には医師・薬剤師に相談する必要があります。
また、不幸にも薬剤により中毒性表皮壊死症を発症した場合には、原因となった薬剤の名前を「お薬手帳」に記しておいてください。担当医に記載して頂くのも良い方法です。また、医療機関を受診する際には、必ず「お薬手帳」を持参し、過去の皮膚や粘膜に出現したエピソードを担当医や薬剤師に伝えて下さい。高齢者では原因となった薬剤の名前をホームドクターや身近な家族に知らせておくことも大切です。
ご自身で市販の薬剤を購入される場合にも薬剤師に「お薬手帳」を提示してください。なお、同じ薬剤の成分でも異なる名前で販売されている場合がありますので、ご注意ください。

※ 難病情報センター(http://www.nanbyou.or.jp/)より、許可をいただき掲載しております。