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じゅうしちあるふぁすいさんかこうそけっそんしょう
17α-水酸化酵素欠損症17 alpha-hydroxylase deficiency

小児慢性疾患分類

疾患群5
内分泌疾患
大分類25
先天性副腎過形成症
細分類53
17α-水酸化酵素欠損症

病気・治療解説

概要

本疾患は,先天性副腎過形成の成因の1つとして,1966年Biglieri により初めて報告された。ステロイド合成酵素のP450cl7の先天的な障害により,ミネラルコルチコイド過剰による高血圧と性ステロイドの欠乏による性腺機能不全をきたす疾患である。

疫学

症例報告数としては世界中で約120余例を認める。先天性副腎過形成の中で占める頻度は我が国で2.6%と報告されている。

病因

ステロイド合成酵素のP450cl7の先天的な障害による。常染色体性劣 性遺伝性疾患であり,原因酵素遺伝子のCYPl7は第10染色体に存在し,本症患者において種々の遺伝子変異が同定されている。
この酵素の補酵素チトクロームb5の欠損が17水酸化酵素欠損症と同様な病態を示すことが報告された。
P450c17の障害により,コルチゾールの分泌低下をきたし,ACTH の過剰分泌が起こる結果,ミネラルコルチコイドのデオキシコルチコス テロン(DOC)や,コルチコステロン(B)の過剰産生をきたし,高血圧をひき起こす。また性ステロイドの低下により,46, XY核型でも表現型は女性であることが多い。46、XX女性の場合には原発性無月経を始めとする二次性徴の障害をきたす。

症状

DOCやBの過剰産生による。若年性高血圧として発見されることが多い。46, XY核型の典型例においては,出生前のテストステロンの欠乏のため に外陰部の女性化をきたし,腟は盲端に終わるが,P450c17の部分欠損症では中間性のあいまいな外陰部を呈することもある。一方,女性患者ではエストロゲンの欠乏のために原発 性無月経,乳房発育不全などの二次性徴の欠落をきたす。P450c17 の部分欠損症では生理を認める症例が存在する。また,男女とも,性毛(腋毛,恥毛)の欠如を認める。
ミネラルコルチコイド過剰による低カリウム血症に伴い筋力低下など低カリウム血症による症状が認められることがある。

治療

高血圧に対しては,ACTHの分泌亢進を抑制し,ミネラルコルチコイドの過剰分泌を抑制する目的で,デキサメタゾン又はヒドロコルチゾンなどの合成糖質コルチコイドの投与を行う。男性患者の外陰部の女性化については社会的性の尊重を基本とし,中間性の外陰部については必要に応じて形成外科的手術を行う。

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。

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