抗CD20モノクローナル抗体リツキサン、全身性強皮症に対する承認を取得
全薬工業株式会社と中外製薬株式会社は9月27日、両社で共同販売を行っている抗CD20モノクローナル抗体「リツキサン(R)点滴静注100 mg、同500 mg(一般名:リツキシマブ(遺伝子組換え))」について、全身性強皮症に対する効能又は効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を、全薬工業が厚生労働省より取得したと発表しました。
全身性強皮症は、皮膚や内臓が硬くなる変化を特徴とする疾患で厚生労働省より難病指定を受けています(指定難病51)。日本国内における患者数は2万人以上とされ、男女比は1:12であり、30~50歳代の女性に多く見られます。
全身性強皮症の症状は慢性的に経過する一方、硬化の程度、進行などは患者さんによってさまざまです。主な症状はレイノー症状や皮膚硬化、肺線維症などがみられます。
リツキサンは、幹細胞や形質細胞以外のB細胞上に発現するタンパク質「CD20」に特異的に結合する抗CD20モノクローナル抗体。標的となるB細胞を体内の免疫系とともに攻撃します。
全身性強皮症に対するリツキサンの臨床開発は、日本医療研究開発機構(AMED)の難治性疾患実用化研究事業(平成29年度)による医師主導治験(全身性強皮症に対する国内臨床第II相試験(IDEC-C2B8試験))として実施され、同試験結果に基づき、今回新たな効能又は効果として承認されました。
全薬工業および中外製薬はプレスリリースにて、「全身性強皮症に対する治療にリツキサンが貢献できるよう、より一層の協力体制で取り組んでまいります」と述べています。