宇宙実験により、「重力ゲートウェイ反射」の仕組みを検証
指定難病にもなっている「多発性硬化症」や網膜炎症を起こしているマウスを用いて、宇宙で実験が行われました。
通常脳や脊髄など中枢神経系は侵入してくる物質が血液脳関門という特殊な構造で守られています。しかし、こうしたシステムが破綻することで多発性硬化症などへとつながっていくと言われています。
ふくらはぎの筋肉にかかる重力の刺激で神経が活性化し、結果的に腰髄の血管に免疫細胞が集まり炎症反応が起こる「重力ゲートウェイ反射」と、その引き金となる「炎症回路」が同定されてきている中で、今回マウスに重力がかからなくなることで、重力ゲートウェイや炎症がどのように変化するのかということが検証される予定です。
これにより炎症応答に対する重力の影響がわかることで、中枢神経系の疾患などの炎症のコントロールへとつながっていくことが考えられます。こうした珍しい実験もひとつずつ新たなことを明らかにしていくのですね。