病気に負けず、また山へ。健康診断が未来を守ると信じて|赤坂めぐみさん:自己免疫性肝炎(AIH)

健康そのものだと思っていた日常の中で、思いがけず指定難病が見つかることがあります。赤坂めぐみさんもその一人です。胆石の手術をきっかけに自己免疫性肝炎(AIH)が判明し、肝不全寸前という深刻な状態だったことがわかりました。それでも現在は病気と向き合いながら、トラックドライバーとして働き続け、夢に向かって前向きに歩み続けています。
これまでの経緯
- 2017年 胆石の手術時の血液検査で異常が見つかる。
- 2017年 肝臓の組織検査を受け、自己免疫性肝炎(AIH)と診断。
- 2017年 検査後の副作用で膵炎を発症し、約1か月半入院。
- 2017年 ステロイド治療を開始し、80mgから治療をスタート。
- 2026年 ステロイドは5mgまで減量し、経過観察を継続中。
自己免疫性肝炎(AIH)とは
自己免疫性肝炎(AIH)は、本来であれば体を守る免疫が、自分自身の肝臓を攻撃してしまう病気です。
炎症が続くことで肝臓にダメージが蓄積し、治療を行わなければ肝硬変や肝不全へ進行することがあります。
国の指定難病にも認定されている病気ですが、早期に発見し、ステロイドなどの治療を続けることで病状をコントロールできる方も多くいます。
特徴的なのは、初期には自覚症状がほとんどないことです。
疲れやすさ程度しか感じない人も多く、健康診断や別の病気の検査で偶然見つかるケースも少なくありません。
そのため、定期的な健康診断や血液検査が早期発見につながる重要な手段となります。
健康だと思っていた私に突然告げられた「指定難病」
私は2017年に胆石の手術を受けました。
それまでは大きな病気もなく、自分は健康だと思っていました。
もちろん、肝臓に病気があるなんて考えたこともありませんでした。
胆石の手術自体は無事に終わりましたが、そのときの血液検査で肝臓の数値に異常が見つかりました。
さらに詳しく調べると、アレルギーに関係する数値や肝臓の数値が人よりも10倍近く高いことがわかり、「もっと詳しい検査をしましょう」と言われたのです。
胆石を取ったあとも痛みが続いていたこともあり、不安を抱えながら検査を受けました。
そして、肝臓の組織を採取する検査を行うことになりました。
肝臓の組織を取る検査(肝生検)は、正直とても怖かったです。肝臓に針を刺して組織を採取すると聞いていたので、検査前はかなり緊張していました。
検査の結果、私は自己免疫性肝炎(AIH)と診断されました。
しかも、病気が見つかった時点で、医師からは肝不全の一歩手前まで進行していたと説明されました。
それでも私は、本当に何も症状を感じていませんでした。病気だったことにもまったく気付いていなかったのです。
「肝臓は寡黙な臓器」とよく言われますが、その意味を身をもって実感しました。
検査後の膵炎、ステロイド治療、そして20キロの体重増加
診断までの道のりは決して順調ではありませんでした。
検査の副作用によって膵炎を発症し、約1か月半入院することになりました。
胆石の手術が終わって安心したのも束の間、思いがけない入院生活が始まったのです。
診断後は、ステロイドによる治療が始まりました。
最初は80mgという多い量からスタートし、炎症を抑えながら少しずつ減量していきました。
現在では5mgまで減らすことができ、経過観察を続けています。
ただ、ステロイドには副作用もあります。
私の場合は食欲が止まらなくなり、気付けば20キロほど体重が増えてしまいました。
今までと同じように食べているつもりでも、次から次へと食べたくなる感覚が続きました。
体重が増えていくことは精神的にも大変でしたが、病気をコントロールするためには必要な治療だったので、前向きに受け止めるようにしました。
病気になっても、トラックドライバーの仕事は続けてきた
私はトラックドライバーとして働いています。
病気がわかってからも、仕事を辞めるという選択は考えませんでした。
ずっと続けてきた仕事だからこそ、「病気に負けたくない」という気持ちが強かったのだと思います。
もちろん、以前とまったく同じというわけではありません。
体力は確実に落ちました。
歩いているだけでも疲れが早く出るようになり、「前とは違うな」と感じることがあります。
それでも、自分のペースを大切にしながら仕事を続けています。
病気があっても、働き続けられることは私にとって大きな自信になっています。
お酒をやめた生活と小さな楽しみ
私はもともとお酒が好きでした。
でも病気がわかってからは、お酒を完全にやめました。
好きだったものを我慢するのは正直つらいです。
それでも肝臓を守るためには必要なことだと思っています。
その代わりに、最近は甘いものを食べることが増えました。
以前はあまり甘いものを食べるタイプではありませんでしたが、今ではちょっとした楽しみになっています。
そんな小さな楽しみを見つけながら、病気とうまく付き合っています。
息子も難病を発症。「私のせいかもしれない」と苦しんだ日々
実は、その後、息子も難病を発症しました。
診断された病気は皮膚筋炎(DM)です。
若い頃は病院へ行ったり行かなかったりすることもあり、体調を気にしながら生活していました。
私は自己免疫性肝炎(AIH)、息子は皮膚筋炎(DM)。
病気は違いますが、どちらも免疫の異常が関係する病気です。
そのため、「遺伝してしまったのではないか」「私のせいなのではないか」と、自分を責める気持ちがとても強くなりました。
最初は本当にショックでしたが、今の息子は病気に負けることなく、自分なりに前を向いています。
ジムへ通い、体を鍛え、家庭も築いています。
そんな姿を見るたびに、私も元気をもらっています。
「私も頑張ろう」
そう思わせてくれる、大切な存在です。
自覚症状がないからこそ、健康診断を受けてほしい
私の病気は、自覚症状がまったくありませんでした。
もし胆石の手術を受けていなかったら、もっと病気が進行していたかもしれません。
だからこそ、私は多くの人に伝えたいことがあります。
健康診断を受けてほしい。
肝臓は症状が出にくい臓器です。
痛みもなく、普段通り生活できてしまうこともあります。
でも、血液検査を受ければ異常が見つかる可能性があります。
「元気だから大丈夫」と思わず、一度検査を受けるだけでも未来は変わるかもしれません。
私自身が、その大切さを実感しています。
今後の目標は百名山へチャレンジ!

私には夢があります。
それは、「日本百名山」を登ることです。
病気になる前は、息子と一緒に山登りを楽しんでいました。
今はお互いに病気を抱えていることもあり、以前のようにはいきません。
それでも、「また一緒に山へ行きたい」という気持ちは変わりません。
病気があるからと夢を諦めるのではなく、できることを少しずつ積み重ねながら挑戦していきたいと思っています。
息子の頑張る姿に励まされながら、私も病気に負けず、一歩ずつ前へ進んでいきます。
そしていつか、親子で日本百名山を登り切ることが、私の大きな目標です。
