病勢進行リスクを有する成人IgA腎症に対するユルトミリス、第3相臨床試験で蛋白尿の有意な減少を確認
アレクシオンファーマ合同会社は5月12日、病勢進行リスクを有する成人のIgA腎症(以下、IgAN)を対象とした国際共同第3相臨床試験であるI CAN試験において、「ユルトミリスHI 点滴静注(一般名:ラブリズマブ、以下「ユルトミリス」)」が中間解析における主要評価項目を達成したと発表しました。
IgAN(指定難病66)は、慢性腎臓病を引き起こし末期腎不全へと進行する可能性のある希少な腎臓の炎症性疾患です。体内で異常なIgAタンパク質が産生されて免疫複合体が腎臓に沈着し、補体系が活性化されることで、血液をろ過して浄化する役割を担う糸球体の細胞が損傷を受けます。疾患の早期では症状が発現しない場合が多く、発見された時にはすでに不可逆性の腎障害が生じている可能性がありまもある病気です。
今回のI CAN試験の事前に規定された中間解析では、ユルトミリスの投与により、34週目の尿蛋白が統計学的に有意に減少したことが示されました。さらに、投与開始後10週目という早期の段階で蛋白尿の減少が達成されています。また、同試験で観察された安全性に関するデータはこれまでの既存のデータと一致しており、新たな安全性の懸念は特定されませんでした。
今後の最終解析では、106週目の腎機能(推算糸球体濾過量)のベースラインからの変化量が測定される予定です。アレクシオンファーマは、主要各国での迅速承認の取得を目指すとともに、今回の結果を今後の医学学会で発表する予定としています。
英国レスター大学の腎臓内科学寄附講座の教授であり、I CAN試験の治験責任医師を務めるJonathan Barratt博士は、「IgAN患者さんの多くはその後腎不全に進行し、最終的には透析や移植が必要となります。これらの転帰は、治療の進歩にもかかわらず、患者さんの日常生活に深刻な負担を強いる可能性があります。I CAN試験の中間解析の結果から、IgANにおける腎臓炎症の中心的な要因である終末補体活性化を『ユルトミリス』で阻害することにより、蛋白尿の減少に有望な役割を果たす可能性が示されました。2年後の試験の完了時点で、この疾患の治療における『ユルトミリス』の臨床的影響について詳細な理解が得られることを期待しています」と述べています。
アレクシオン・アストラゼネカ・レアディジーズの最高経営責任者であるマーク・デュノワイエ氏は、「これらの肯定的なデータは、『ユルトミリス』による補体C5の阻害が、10週目という早期に蛋白尿の減少をもたらすことを示しており、IgANにおける『ユルトミリス』の疾患修飾的アプローチの可能性を実証するものです。主要各国の規制当局にこれらのデータを提出すると同時に、第III相試験の完了に向けて取り組んでまいります」と述べています。
