【欧州】Wayrilz、他の治療で効果不十分な免疫性血小板減少症(ITP)に対する治療薬として承認を取得
仏サノフィ社は2025年12月23日、欧州委員会が「Wayrilz(一般名:リルザブルチニブ)」を、他の治療で効果が不十分な免疫性血小板減少症(ITP)成人患者さんに対する治療薬として承認したと発表しました。
免疫性血小板減少症(ITP、指定難病63)は、複合的な免疫調節異常によって血小板が減少し、出血のリスクが高まる疾患です。患者さんは出血症状だけでなく、倦怠感や認知機能の低下などにより生活の質(QOL)が低下する課題を抱えています。
Wayrilzは、免疫系の複数の経路を標的とする独自の作用機序を持ち、免疫性血小板減少症(ITP)の病態そのものに働きかけることが期待される経口薬です。
今回の承認は、主要な第3相臨床試験であるLUNA3試験の結果に基づいたものです。同試験では、持続性または慢性の免疫性血小板減少症(ITP)患者さんを対象に有効性と安全性が評価されました。試験の結果、治療開始から25週の時点で血小板数の改善が持続した患者さんの割合は、偽薬(プラセボ)を投与されたグループが0%だったのに対し、Wayrilzを投与されたグループでは23%となり、統計的に有意な改善が認められました。また、血小板数が反応するまでの期間の中央値についても、Wayrilz群では36日と早期の効果が見られました。
ノルウェー・エストフォル病院の研究責任者兼血液内科医であるワリード・ガニマ医師はプレスリリースにて、「ITPは、複合的な免疫調節異常が引き起こす疾患で、血小板減少や出血の他にも様々な症状が現れますが見過ごされることが多く、そうした症状が心身の健康に影響を及ぼし、生活の質の低下をもたらします。ITPに対しては、血小板数を上げて出血リスクを低減する治療が行われていますが、出血以外の症状が持続する患者さんも多くおられます。Wayrilzは、複合的な免疫調節異常に対して多面的な免疫調節作用を発揮し、ITPの病態に働きかけ、ITPのもたらす様々な負担の軽減に寄与する新たな治療薬です」と述べています。
また、サノフィ社のエグゼクティブ・バイスプレジデントで、スペシャルティケアヘッドのブライアン・フォード氏は、「EUにおけるITP治療薬としてのWayrilzの承認
は、サノフィの免疫科学に関する知見を生かし、炎症性希少疾患とともに生きる方々に意義ある進歩を届けるという当社の取り組みの成果です。Wayrilzは独自の作用機序で、多面的な免疫調節作用を発揮することでITPの病態に働きかけることができる薬剤で、患者さんに進歩した治療のベネフィットをもたらすことが期待されます」と述べています。
なお、Wayrilzは免疫性血小板減少症(ITP)治療薬として、すでに米国やアラブ首長国連邦でも承認を取得しています。日本および中国においては現在審査中であり、日本国内では2025年12月23日に厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けています。
