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デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対するCAP-1002、臨床第ⅢIII相試験での肯定的なトップラインデータを発表

日本新薬株式会社は12月4日、Capricor社が米国で開発中のCAP-1002(Deramiocel)について、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者さんを対象とした臨床第II相試験(HOPE-3試験)の肯定的なトップラインデータを発表しました。

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、ジストロフィン遺伝子変異により発症する疾患です。幼児期に運動機能の低下やふくらはぎの肥大化(太くなる)などの初期症状が現れます。

CAP-1002は、同種異系心筋由来細胞(CDCs)で構成されています。これらの細胞は、エクソソームと呼ばれる細胞外小胞の分泌を介してマクロファージの働きを調整し、炎症を抑制して治癒を促進することで、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)などにおける心筋および骨格筋機能の維持に寄与する強力な免疫調節作用と抗線維化作用を発揮することが、非臨床および臨床試験で示されています。また、同剤は、米国では再生医療先端治療(RMAT)指定や希少小児疾患指定などを、欧州では先端治療医薬品(ATMP)指定や希少小児疾患指定を受けています。

HOPE-3試験は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者さんを対象にCAP-1002の安全性と有効性を評価するために実施された、第Ⅲ相、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照の臨床試験です。歩行可能または歩行不能の男児、合計106名が試験に登録され、12ヵ月間にわたり、3ヵ月ごとに合計4回、本同剤またはプラセボが投与されました。

同試験において、CAP-1002は主要評価項目である上肢機能評価(PUL v2.0)で統計学的な有意差(p=0.03)を確認しました。さらに、重要な副次評価項目である心機能指標の一つである左室駆出率(LVEF)においても統計学的な有意差(p=0.04)が認められています。安全性プロファイルは、これまでの臨床経験と一致する良好なものでした。

なお、Capricor社は今後、米国食品医薬品局(FDA)との事前合意に基づき、審査完了報告通知(Complete Response Letter)への対応として、このHOPE-3試験のデータを提出する予定としています。

出典
日本新薬株式会社 プレスリリース

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