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遺伝性血管性浮腫発作抑制薬として開発中のドニダロルセンが欧州医薬品委員会の承認勧告を受領

大塚製薬株式会社は11月17日、遺伝性血管性浮腫(HAE)の発作抑制薬として開発を進める「ドニダロルセン(開発コード:ISIS 721744)」について、2025年11月14日に、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)より販売承認の勧告を受領したと発表しました。

遺伝性血管性浮腫(HAE)は、慢性的かつ生命を脅かす可能性のある遺伝性疾患です。約5万人に1人の割合で発症するといわれているまれな疾患で、人種差はないと考えられており、約75%が家族性であるとされています。遺伝性血管性浮腫(HAE)では、四肢、顔面、腹部、性器、さらには喉頭にまで影響を及ぼす、再発性かつ予測困難な腫脹発作を伴います。消化管や喉頭に浮腫が生じた場合、腹痛や息苦しさを引き起こし、重篤な場合には生命に関わるリスクもあります。

ドニダロルセンは、米Ionis Pharmaceuticals(アイオニス)社が開発する、遺伝性血管性浮腫(HAE)の発作抑制薬です。肝臓におけるプレカリクレイン(PKK)の産生を特異的に抑制するように設計された、RNAを標的とする治療薬です。この働きによって、遺伝性血管性浮腫(HAE)発作につながる経路を遮断します。実施されたフェーズ3試験(OASIS-HAE試験およびOASISplus試験)では、オートインジェクターによる自己投与時を含め、月平均の遺伝性血管性浮腫(HAE)発作率の有意かつ持続的な減少など、複数の評価項目において良好な結果が得られています。

大塚製薬はプレスリリースにて、「本剤を欧州およびアジア地域のHAE患者さんに届けることで、未充足の医療ニーズの解消に貢献できるよう、引き続き尽力してまいります」と述べています。

なお、大塚製薬は、2023年12月に本剤の欧州における独占的販売権をアイオニス社から取得するライセンス契約を締結し、さらに2024年6月には日本を含むアジア地域も対象エリアに追加する契約を締結しています。

出典
大塚製薬株式会社 プレスリリース

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