特発性肺線維症治療剤Buloxibutid、希少疾病用医薬品に指定
日本新薬株式会社は9月30日、特発性肺線維症(IPF)を対象として開発を進めているbuloxibutidが、厚生労働省から希少疾病用医薬品の指定を受けたと発表しました。
特発性肺線維症(IPF)は、特発性間質性肺炎(指定難病85)の一種で、徐々に肺の線維化が形成されることで、呼吸機能障害、空咳、肺高血圧症などの症状が現れます。特発性肺線維症(IPF)は50歳以上の男性に多く、診断後の平均生存期間は3~5年とされており、予後不良の進行性肺疾患です。また、急性増悪により呼吸不全が急速に進行することもあります。
buloxibutidは、スウェーデンのバイコア社が海外でIPF治療薬として開発を行っている経口投与可能な低分子アンジオテンシンⅡ2型受容体作動薬です。
同剤は、バイコア社が実施した第IIa相試験(AIR試験)では、未治療の特発性肺線維症(IPF)患者さんに対し、安全性と有効性、特に呼吸機能の安定化または改善が示唆され、2024年から、国際共同第ⅡIIb相試験(ASPIRE試験)が実施されています。また同剤は、2016年に欧州委員会からオーファンドラッグ指定を、2017年に米国食品医薬品局からオーファンドラッグ指定を、そして2025年には米国食品医薬品局からファストトラック指定を受けています。
日本新薬はプレスリリースにて、「難病・希少疾患を注力領域として位置づけており、新たな治療剤の開発および製品の情報提供に取り組んでいます。本剤の臨床開発を速やかに進め、IPFでお困りの患者さんのもとに一日でも早くお届けできるよう、今後も一層の努力を続けてまいります」と述べています。