アナエブリ皮下注200mgペン、遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制を効能・効果として製造販売承認を取得
CSLベーリング株式会社は2月20日、ヒト抗活性化第XII因子モノクローナル抗体「アナエブリ皮下注200mgペン(一般名:ガラダシマブ(遺伝子組換え)以下、「アナエブリ」)」について、遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制を効能・効果として、厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表しました。
遺伝性血管性浮腫(HAE)は、C1インヒビターという物質が原因で、腹部、喉頭、顔面、四肢など、体のさまざまな部位が突然腫れたりむくんだりする遺伝性疾患です。日本にはおよそ2,500人の患者さんがいると推定されています。
アナエブリは、全身の様々な部位で血管性浮腫を引き起こす原因である活性化第XII因子(FXIIa)を阻害する、日本で初めて承認された完全ヒト型モノクローナル抗体で、月1回投与の初のプレフィルドペン製剤です。今回の承認は、国際共同第Ⅲ相試験「VANGUARD試験」およびその非盲検延長試験における有効性と安全性のデータに基づいたものです。日本での承認は、オーストラリア、英国、欧州連合(EU)での承認に続くものです。
CSLベーリングのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼研究開発統括責任者であるビル・メザノッテ医学博士はプレスリリースにて「アナエブリは、遺伝性血管性浮腫(HAE)の管理における画期的な進展であり、本疾患に苦しむ患者さんに対し、患者志向の利便性の高い投与方法を通じて、長期的な疾患コントロールを提供します。「アナエブリⓇ」は、CSLが発見・開発し、承認を取得した初の遺伝子組換えモノクローナル抗体であり、HAEの研究と治療最適化に向けた40年以上にわたる当社の取り組みを象徴するものです。この重要なマイルストーンは、長年にわたるたゆまぬ努力の結晶であり、これを実現したCSLのチーム、医療従事者、そして患者の皆さまに深く感謝申し上げます」と述べています。
また、CSLベーリング研究開発部門日本&中国のエグゼクティブ・ディレクター兼リージョナルリードであるローズ・フィダ博士は、「アナエブリは、HAE発作の主要な要因である活性化第XII因子を標的とする、初めてかつ唯一の治療薬であり、画期的なブレークスルーとなる選択肢です。新たな作用機序に加え、月1回の皮下投与と使いやすいプレフィルドペンにより、日本におけるHAE治療のあり方を大きく変えることが期待されます」と述べています。
なお、VANGUARD試験の詳細な結果は2023年4月に「The Lancet」に掲載され、進行中の非盲検延長試験の主要結果は2024年10月に「Allergy」に掲載されました。