尿素サイクル異常症(UCD)治療薬フェニル酪酸グリセロールの医薬品製造販売承認を申請
株式会社オーファンパシフィックは12月25日、尿素サイクル異常症(Urea Cycle Disorder:UCD)に対する治療薬であるフェニル酪酸グリセロール(開発コード:HPN-100、海外販売名:RAVICTI)の国内における医薬品製造販売承認申請を厚生労働省に行ったと発表しました。
尿素サイクル異常症(指定難病251、UCD)は、先天的に尿素サイクルに関与する酵素等に異常があり、高アンモニア血症の症状などを発症する疾患です。嘔吐、哺乳力低下、多呼吸、痙攣、意識障害、行動異常、発達障害などがみられ、時には命にかかわるような重篤な状態になることもあります。乳幼児期に発症することが多いですが、成人になってから初めて診断されるケースもあります。
現在、オーファンパシフィック社は、尿素サイクル異常症(UCD)の治療薬としてブフェニール(フェニル酪酸ナトリウム)の顆粒剤及び錠剤を販売していますが、フェニル酪酸グリセロールはブフェニールと同様に体内でフェニル酪酸となる、フェニル酪酸のプロドラッグで、無味無臭の服用しやすい経口液剤だといいます。
国内第III相臨床試験(HPN-100-J001試験)の結果では、フェニル酪酸グリセロールは、ブフェニールと同様に血中アンモニア濃度をコントロールすることができ、良好な安全性と忍容性が確認されました。
オーファンパシフィック社はプレスリリースにて、「UCDを持つ患者さんとご家族のために、本剤を一日も早くお届けできるよう努めてまいります」と述べています。