肺動脈性肺高血圧症治療剤ユバンシ配合錠が発売
Johnson & Johnson(ヤンセンファーマ株式会社)は11月20日、エンドセリン受容体拮抗薬マシテンタン10mgとホスホジエステラーゼ5阻害薬タダラフィル40mgとの配合剤である「ユバンシ配合錠」を発売したと発表しました。
肺動脈性肺高血圧症(指定難病86)は、肺の細い動脈(肺小動脈)の内側の空間(内腔)が狭くなり、心臓から肺に送られる血液が流れにくくなることにより、肺動脈の血圧が高くなる疾患です。欧州心臓病学会(ESC)及び欧州呼吸器学会(ERS)による肺高血圧症治療ガイドライン2022では、肺動脈性肺高血圧症の患者さんに対して、エンドセリン受容体拮抗薬とホスホジエステラーゼ5阻害薬の併用療法が推奨されています。
ユバンシは、エンドセリン受容体拮抗薬であるマシテンタン10mgとホスホジエステラーゼ5阻害薬であるタダラフィル40mgを配合した、1日1回経口投与の成人の肺動脈性肺高血圧症の治療薬です。9月24日に肺動脈性肺高血圧症を効能又は効果として製造販売承認を取得し、11月20日に薬価収載されました。
国際共同第III相ピボタル試験(A DUE試験)の結果に基づき承認されたユバンシ同剤は、有効性および安全性プロファイルが示されているマシテンタンおよ及びタダラフィルという2つの治療薬を配合錠にすることで、疾患管理を最適化できる可能性があり、患者さんの服薬時の負担軽減も期待されできます。
J&J Innovative Medicine Japanの代表取締役社長である關口修平氏はプレスリリースにて、「この度、ユバンシの発売で日本の肺動脈性肺高血圧症の患者さんに1日1回服用の配合錠をお届けできることを嬉しく思います。ユバンシの登場により、患者さんの服薬負担軽減に少しでも貢献し、日常生活の質の向上にもつながることを期待しています」と述べています。