リンヴォック錠、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎に対する成人患者さんの治療薬として適応追加承認を取得
アッヴィ合同会社は2月24日、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤リンヴォック錠について、既存治療で効果不十分なX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎の成人患者さんに対する治療薬として適応追加承認を取得したと発表しました。
リンヴォックは、体軸性脊椎関節炎の適応をもつ日本初のJAK阻害剤であり、1日1回投与の経口剤です。日本において、関節リウマチ、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、アトピー性皮膚炎、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、計6つの適応症を有しています。
体軸性脊椎関節炎は、脊椎や骨盤に慢性的に炎症が見られる炎症性疾患で、強直性脊椎炎および体軸性脊椎関節炎の2つに分けられます。体軸性脊椎関節炎の患者さんは、疼痛、炎症やこわばりによる身体機能の障害が頻繁にみられ、患者さんの生活の質や健康に被害をおよぼす可能性があります。
日本国内の体軸性脊椎関節炎の患者さんは、欧米など他地域と比較して 0.0006%と少なく、日本国内では稀な疾患の1つといわれています。
これまで、体軸性脊椎関節炎の治療薬として、日本国内では非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)で効果不十分となり、より高度な全身治療を必要とする場合、利用可能な生物学的製剤はいずれも皮下投与でしたが、今回、1日1回投与の経口剤であるリンヴォック錠が承認されたことにより、患者さんの負担軽減が期待されるそうです。
なお、今回の承認は、2種類以上のNSAIDで効果不十分又はNSAIDに不耐容/禁忌であった活動性の体軸性脊椎関節炎の成人患者さんを対象とした、日本を含む国際共同第III相試験「M19-944試験Study2」の結果に基づいたもの。これら複数の試験において、リンヴォック(15mg、1日1回投与)は、プラセボと比較して、主要評価項目である14週時のASAS40(国際脊椎関節炎評価会(ASAS))基準で40%の改善)を達成しました。