ステムカイマル®、脊髄小脳変性症を対象とした第Ⅱ相試験において被験者への投与開始
株式会社リプロセルは2020年2月25日、現在開発中の再生医療製品Stemchymal®(以下、ステムカイマル®)を用いた第Ⅱ相臨床試験において第一例目の被験者登録(FPI:First Patient In)が行われ、投与が開始されたことを発表しました。
脊髄小脳変性症は、小脳を始めとした神経細胞の変性により引き起こされる様々な疾患の総称です。歩行時のふらつきや嚥下障害、手の震えなどの症状が現れます。脊髄小脳変性症は遺伝性のものと孤発性(非遺伝性)のものに大別され、全体の半数以上が孤発性であると考えられています。遺伝性の遺伝性の脊髄小脳変性症(Spinocerebellar ataxia: SCA)の後に番号を付けて名前が付けられています。
多系統萎縮症なども含めた脊髄小脳変性症全体の患者さんは、国内に3万人以上いると推定されています。
今回の試験は脊髄小脳変性症(SCA3、SCA6)の患者を対象とし、ステムカイマル®静脈注射(点滴)投与の安全性および有効性が評価されます。治験終了は2021年12月頃が予定されています。
過去に台湾で実施された第I/Ⅱa相臨床試験では、SCA3の患者に対しステムカイマル®が静脈注射により投与され有効性を示唆するデータが得られ、また安全性も確認されています。ステムカイマル®の単回投与から12か月の間、臨床症状の進行が抑制される傾向がみられました。