1. HOME
  2. 難病・希少疾患ニュース
  3. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の検査法の開発、患者さんの血液から異常タンパク質を発見

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の検査法の開発、患者さんの血液から異常タンパク質を発見

慶應義塾大学と公益財団法人がん研究会がんプレシジョン医療研究センターの共同研究グループは3月24日、孤発性筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さんの血清中に含まれる細胞外小胞に、遺伝子発現中のスプライシングに異常が生じていることを示すアミノ酸配列(隠れペプチド)を含むタンパク質が存在することを発見したと発表しました。

筋萎縮性側索硬化症(指定難病2、ALS)は、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉が徐々にやせて力がなくなっていく疾患です。発症から診断までに平均して1年程度かかるという研究もあり、早期に診断できる検査法の開発が求められています。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さんの神経細胞では、遺伝子の情報を読み取ってタンパク質を作る過程で異常が起きることが知られています。今回、研究グループは、この異常によって作られる、本来存在しないはずのアミノ酸配列である隠れペプチドに着目しました。そして、患者さんの血液の中にある細胞外小胞と呼ばれる小さな袋に、この隠れペプチドを含むタンパク質が含まれているのではないかと仮説を立てて検証を行いました。

患者さん20名と健常者10名の血液を分析した結果、患者さんの血液から4種類の隠れペプチドの配列が検出されました。その中でも、特定のタンパク質に隠れペプチドが入り込んだものは健常者からは検出されず、患者さんでのみ検出されました。また、検出された隠れペプチドの種類を比較することで、健常者と患者さんを高い精度で見分けることが可能であると明らかになりました。

画像はリリースより

以上の研究成果は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)における血液検査の開発と、疾患メカニズムの理解の進展を通じて、同疾患の臨床に役立つ可能性があります。今後は他の神経疾患との識別能の検証や、より高感度な分析方法を取り入れることで、臨床実用に向けた改善が進められます。

なお、同研究の成果は、「日本炎症・再生医学会の公式国際誌」に1月29日付で掲載されました。

出典
公益財団法人がん研究会がんプレシジョン医療研究センター プレスリリース

関連記事