デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対する国内初の再生医療等製品「エレビジス点滴静注」発売を開始
中外製薬株式会社は2月20日、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療を目的とした国内初の再生医療等製品「エレビジス点滴静注[一般名:デランジストロゲン モキセパルボベク](以下、エレビジス)」が薬価収載され、販売を開始したと発表しました。
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、幼少期から急速に筋力が低下していく希少な遺伝性の疾患です。男児の約5,000人に1人程度で発症するといわれており、女児では非常にまれです。
エレビジスは、1回の点滴投与により、疾患の進行に伴う不可逆的な筋肉の障害が生じる前に、原因となるタンパク質であるジストロフィンの欠損を補うよう設計された新しい治療法です。
投与の対象となるのは、エクソン8及び/又はエクソン9の一部又は全体の欠失変異を有さず、抗AAVrh74抗体が陰性である、3歳以上8歳未満の歩行可能な患者さんです。
今回の承認は、歩行可能なデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の4歳~7歳の男児を対象にしたエレビジスの有効性および安全性を評価したグローバル第III相臨床試験であるEMBARK試験の最大2年間1,2の成績を含む、これまでに実施した同剤のすべての臨床試験成績等に基づいたものです。海外において、歩行不能な患者さんにエレビジスを投与した際、急性肝不全による死亡例が2例報告されています。これを受け、中外製薬は安全対策を強化しました。専門医からなるエキスパートパネルによるインターネットを介したコンサルテーション体制を整備したほか、医療関係者や患者さん向けの資材を公開するなど、適正使用を推進する体制を構築しています。
中外製薬の代表取締役社長CEOの奥田修氏はプレスリリースにて、「DMDは幼少期に発症し、徐々に筋力が低下していくことで日常生活に大きな影響を及ぼす疾患です。DMDと診断され、新たな治療法の登場を待ち望んでこられた方々とそのご家族にエレビジスをお届けできることを心より嬉しく思います。エレビジスの治療を受けられる方々の安全を最優先に、適正使用の推進に努めてまいります。また、エレビジスの長期の有効性と安全性の確認のため、製造販売後の臨床試験および全症例を対象とした使用成績調査の実施に取り組んでまいります」と述べています。
