ゴーシェ病3型の神経症状の改善を目指すvenglustatが第III相試験で主要評価項目を達成
仏サノフィ社は2月2日、まれなライソゾーム病の一種であるゴーシェ病のうち、神経症状を有するゴーシェ病3型と診断された成人および12歳以上の小児を対象とした二重盲検ダブルダミー実薬対照2群間比較試験であるLEAP2MONO第III相試験(試験ID:NCT05222906)において、開発中の薬剤であるvenglustatが全ての主要評価項目と主な副次評価項目の4項目のうち3項目を達成したと発表しました。
ゴーシェ病は、まれな遺伝性疾患であるライソゾーム病の一種で、特定の酵素が欠けているために糖脂質が体内の細胞や臓器に蓄積してしまう病気です。その中でもゴーシェ病3型は、肝臓や脾臓の腫れといった全身の症状に加え、運動失調や認知障害などの中枢神経系の症状が現れるのが特徴です。現在、全身の症状に対しては酵素補充療法などの治療法がありますが、神経症状に対して有効な治療薬は承認されておらず、アンメットメディカルニーズ(未だ満たされていない医療ニーズ)が高い領域です。
venglustatは、細胞や臓器における糖脂質の異常蓄積を抑制する作用をもつ開発中のグルコシルセラミド合成酵素阻害薬(GCSi)です。従来の酵素補充療法とは異なり、血液脳関門を通過して脳に到達することができる特性を持つため、神経症状の改善が期待されています。
今回の試験結果によると、52週時点での評価において、venglustatを服用したグループは、酵素補充療法を受けたグループと比較して、運動失調や神経心理学的状態を示すスコアで有意な改善が見られました。一方で、脾臓や肝臓の大きさ、ヘモグロビン値といった全身症状に対する効果については、従来の酵素補充療法と同程度の結果が得られました。安全性に関しては、これまでの試験結果と比較して予期せぬ新たな懸念は認められず、治療中に比較的多く報告された副作用としては、頭痛、悪心、脾腫大、下痢などでした。
同社は今後、世界各国でvenglustatの承認申請を進める予定です。なお、同時に実施されていたファブリー病を対象とした別の第3相試験「PERIDOT」では、主要評価項目である患者報告アウトカムにおいて優越性が認められなかったことも併せて報告されています。
サノフィ社のエグゼクティブ・バイスプレジデント研究開発部門ヘッドのホーマン・アシュラフィアン氏はプレスリリースにて、「今回得られた知見は、希少疾患に対するサノフィの取り組みと、患者さんに成果をお届けするという約束を果たすための活動の結果といえます。私たちは今回、大きなアンメットメディカルニーズに応える可能性が見いだせたことをたいへん嬉しく思います。試験結果は、1日1回の服用で、神経症状に悩めるゴーシェ病の患者さんに大きな変化をもたらす可能性を示しています。試験に参加いただいた患者さんとご家族の勇気に、心より感謝申し上げます」と述べています。
