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脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬スピンラザ、高用量投与レジメンが承認を取得

バイオジェン・ジャパン株式会社は9月19日、脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療薬であるヌシネルセン(製品名:スピンラザ)について、高用量投与レジメンが、新用量医薬品/・剤型追加(28mg製剤、50mg製剤)に係る医薬品の承認を取得したと発表しました。

脊髄性筋萎縮症(指定難病3、SMA)は、主に乳児期から小児期に発症する進行性の神経筋疾患で、運動神経細胞の変性・消失により筋力低下や筋萎縮を引き起こします。近年治療法は進歩していますが、「筋力の改善」や「呼吸・嚥下機能の改善」といった満たされていない医療ニーズ(アンメットニーズ)が依然として存在しています。

スピンラザは、脊髄性筋萎縮症(SMA)の乳幼児、小児および成人の治療薬として、世界71カ国以上で承認されており、全世界で14,000人以上が治療を受けています。

スピンラザ高用量投与レジメンは、既承認のスピンラザ投与レジメンと比較し、より迅速な初期投与レジメンと、より高用量の維持投与レジメンで構成されています。具体的には、初回および初回投与2週間後に50mgを投与し、以降は4ヵ月ごとに28mgの投与を行うこととされています。今回の承認により、既承認の12mg製剤に加え、28mgおよび50mgの高用量製剤が新たに加わりました。これは、より高い運動機能改善を期待する脊髄性筋萎縮症(SMA)患者さんに対する治療選択肢の拡充を目的としています。

今回の高用量投与レジメンは、臨床第II/III相無作為化用量漸増対照試験である232SM203試験(DEVOTE試験)の結果に基づき承認されました。DEVOTE試験のパートBでは、乳児型脊髄性筋萎縮症(SMA)患者さんにおいて、高用量群(50mg/28mg)が、運動機能を定量的に評価するCHOP INTEND合計スコアのベースラインから183日目までの変化量において、シャム処置群に対して統計学的に有意な改善を示し、その優越性が検証されました(LS平均値の差:26.1)。副次評価項目として、血漿中ニューロフィラメント軽鎖(NF-L)濃度の低下や、無イベント生存期間の延長なども確認されています。

安全性については、DEVOTE試験の高用量群での副作用発現率は6.0%でした。主な副作用は貧血、好酸球増加症、発熱、不快気分、湿性咳嗽、紅斑性皮疹などであり、重篤な副作用や投与中止に至った例は認められていません。

バイオジェンの傳幸諭社長はプレスリリースにて、「本日、私たちは世界で初のスピンラザ高用量投与レジメンの承認を取得することができました。私たちは2017年、かつては治療法が存在しない難病とされていたSMAに対し、国内初の治療薬としてスピンラザを発売しました。SMAの治療はその後進化を続け、治療の選択肢が大きく広がりました。しかしながらSMA患者さんからはもっと改善したいというニーズが存在することを伺っておりました。そのような患者さんに新たな治療選択肢をお届けできることを大変うれしく思います」と述べています。

出典
バイオジェン・ジャパン株式会社 プレスリリース

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