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【米】ドラベ症候群に対する新薬候補zorevunersenの有望な臨床データを発表

米バイオジェン社と米ストーク社は9月2日、ポルトガルのリスボンで開催された第36回国際てんかん学会において、ドラベ症候群に対する初の疾患修飾薬としての可能性を示唆するzorevunersen の第I/IIa相およびオープンラベル継続(OLE)試験のデータを発表しました。

ドラベ症候群(指定難病140)は、SCN1A遺伝子の変異による脳内NaV1.1タンパク質不足が主な原因で、重度のてんかん発作と認知・行動障害を特徴とする深刻な疾患です。

zorevunersenは、非変異SCN1A遺伝子から機能性NaV1.1タンパク質の産生を増やし、根本原因を治療するよう設計されたアンチセンスオリゴヌクレオチドです。同剤は疾患修飾の可能性を示し、FDA(米国食品医薬品局)とEMA(欧州医薬品庁)から希少疾病用医薬品の指定を受けているほか、FDAは小児用希少疾病用医薬品および画期的治療薬にも指定しています。

今回の発表によると、オープンラベル継続試験でzorevunersenの投与を受けた被験者において、3年間の観察期間を通じて、発作の持続的な減少と認知および行動の継続的な改善が認められました。また、既に抗けいれん薬の標準治療を受けている被験者では、けいれんのない日数の大幅な増加とQOL(生活の質)の継続的な改善が示されています。zorevunersenは全ての試験において、総じて良好な忍容性を示しました。これらのデータは、現在進行中のピボタル第III相EMPEROR試験を支持するものです。

第I/IIa相およびオープンラベル継続試験のデータは、4年以上にわたるzorevunersenの臨床経験を示しています。これらの試験では、大運動性発作頻度の大幅かつ持続的な減少、認知、行動、QOLの継続的な改善が標準治療を上回る効果として示されました。安全性も総じて高い忍容性を示し、81名の被験者が投与を受けました。最も多い治験薬関連の有害事象は髄液タンパク質の上昇でしたが、ほとんど臨床症状は認められませんでした。

治験責任医師のアンドレアス・ブランクラウス教授(グラスゴー王立子ども病院小児神経科コンサルタント医師、グラスゴー大学名誉教授)はプレスリリースにて、「ドラベ症候群による困難はけいれん発作に始まりますが、この疾患の自然な経過を研究すると、患者さんやご家族の日常生活におけるほぼ全ての側面に広範囲かつ生涯にわたる影響が及ぶことは明らかです。持続的な発作の減少と認知、行動およびQOLの改善が治療の1年目から現れ、2年目そして現在の3年目にも継続し、同時に総じて良好な忍容性が示されたことから、私たちはzorevunersenの疾患修飾薬としての可能性に自信を持っています」と述べています。

出典
バイオジェン・ジャパン株式会社 プレスリリース

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