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副甲状腺機能低下症治療薬ヨビパス皮下注ペンの製造販売承認を取得

帝人ファーマ株式会社は8月25日、デンマークのアセンディス・ファーマ社から日本国内での製造販売ライセンスを取得した副甲状腺機能低下症治療薬「ヨビパス皮下注168 μgペン、294 μgペン、420 μgペン(一般名:パロペグテリパラチド)」について、厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表しました。

副甲状腺機能低下症(指定難病235)は、体内のカルシウムとリン酸のバランスを調整する副甲状腺ホルモン(PTH)の不足によって引き起こされる内分泌疾患です。患者さんは、手足の筋肉のけいれんであるテタニーや、手足、口の周りのしびれ感といった短期的症状を経験することがあり、重症の場合には全身に及ぶてんかん様の発作を示すこともあります。長期的には腎機能障害、異所性石灰化、認知障害などを患うリスクがあります。現在の治療では、血中カルシウム濃度を維持するために活性型ビタミンD製剤やカルシウム製剤が使用されています。しかし、一部の患者さんでは最適な血中カルシウム濃度を維持することや症状を抑えることが困難な場合があります。また、これらの治療は、高カルシウム血症や腎機能障害などを引き起こす可能性もあるため、血中のPTH濃度を生理的範囲で24時間にわたり維持できる新しい治療薬が求められていました。

ヨビパス皮下注ペンは、アセンディス・ファーマ社が開発した独自のTransCon技術により、副甲状腺機能低下症患者さんに1日1回皮下投与することで、24時間にわたり血中PTH濃度を生理学的範囲に維持できる日本初の薬剤です。同剤は副甲状腺機能低下症の根本的な治療薬として期待されています。同剤は、日米欧で希少疾病用医薬品の指定を受けており、既に米国、EU、EEA、および英国で、アセンディス・ファーマ社が成人の副甲状腺機能低下症治療薬として承認を取得しています。

帝人ファーマはプレスリリースにて、「より支えを必要とする患者、家族、地域社会の課題を解決する会社」となることを長期ビジョンとして掲げ、希少疾患や難病領域に注力しています。今後は、在宅医療で培った事業基盤と医薬品、医療機器を組み合わせて、誰もが住み慣れた自宅で安心して治療を継続できる新しい価値提供を推進し、患者さんが必要とする治療(医薬品・医療機器)の普及に貢献することを目指します」と述べています。

出典
帝人ファーマ株式会社 プレスリリース

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