アラジール症候群(ALGS)・進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)に伴う胆汁うっ滞によるそう痒の適応でリブマーリが承認を取得
武田薬品工業株式会社は3月27日、アラジール症候群(ALGS)および進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)に伴う胆汁うっ滞によるそう痒に対する治療薬として、「リブマーリ内用液10mg/mL(一般名:マラリキシバット塩化物)」の製造販売承認を取得したと発表しました。
アラジール症候群(指定難病297、ALGS)は、胆汁うっ滞により、最終的には進行性の肝機能障害を引き起こす遺伝性疾患です。進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(指定難病338、PFIC)は、肝細胞の胆汁分泌能力の低下により、肝細胞内に胆汁が蓄積することで進行性の肝疾患に至る遺伝性疾患です。
リブマーリは、経口投与可能な回腸胆汁酸トランスポーター阻害薬です。胆汁酸の再吸収を抑制することで血中の胆汁酸濃度を低下させ、そう痒を軽減する効果が期待されます。米Mirum Pharmaceuticals,Inc社が開発し、武田薬品が日本国内での独占的開発・販売権を有しています。同剤は、米国や欧州など40カ国以上でアラジール症候群(ALGS)、30カ国以上で進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)の治療薬として承認されています。
今回の承認は、アラジール症候群(ALGS)および進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)患者さんを対象とした国内第3相臨床試験(TAK-625-3001試験、TAK-625-3002試験)と海外で実施された複数の臨床試験の結果に基づいたものです。
武田薬品R&Dジャパンリージョンヘッドの梶井靖氏はプレスリリースにて、「アラジール症候群および進行性家族性肝内胆汁うっ滞症は、乳幼児期に診断されることが多く、胆汁うっ滞に伴う激しいそう痒は患者さんとその介護者の夜間の不眠やQOLの低下につながります。リブマーリが、胆汁うっ滞に伴うそう痒に対する新たな治療選択肢となることを期待しています」と述べています。