日本発の筋萎縮性側索硬化症(ALS)治験ガイドライン策定プロジェクトが始動、治療薬開発の加速に期待
徳島大学は1月28日、日本発の「ALS治療薬臨床評価ガイドライン」を策定するプロジェクトが始動したと発表しました。
筋萎縮性側索硬化症(指定難病2、ALS)は、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉が徐々にやせて力がなくなっていく疾患です。現在、国内で承認されている治療薬はリルゾール、エダラボン、メコバラミン、トフェルセンのみですが、その効果は限定的であり、新たな治療薬の開発が望まれています。
日本には、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治験に関する指針が存在しないことにより、薬の承認プロセスにおける遅れ(ドラッグラグ)や、海外で使える薬が日本で使えないドラッグロスを引き起こす要因となっています。この課題を解決するため、徳島大学は日本医療研究開発機構(AMED)の委託により、筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬の臨床評価ガイドライン作成プロジェクトを立ち上げました。
この研究では、欧州医薬品庁(EMA)や米国食品医薬品局(FDA)が発表しているガイドラインをふまえ、最先端の評価手法を日本版ガイドラインとして整備。さらに、このガイドラインを英語版として公開し、日本国内のみならず国際共同治験にも対応可能な環境を構築し、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬開発へつながることが期待されます。
なお、研究への患者・市民の参画(PPI)を推進するため、2025年2月2日(日)には「患者・市民セミナーALSの治療薬開発を学ぶ」が開催されます。