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副甲状腺機能低下症を効能・効果としてパロペグテリパラチドの製造販売承認を申請

帝人ファーマ株式会社は12月13日、昨年11月29日にデンマークのアセンディス・ファーマ社から日本国内での製造販売ライセンスを取得したパロペグテリパラチド(開発コード:ACP-014)について、「副甲状腺機能低下症」を効能・効果として製造販売承認の申請をしたと発表しました。

副甲状腺機能低下症(指定難病235)は、副甲状腺ホルモンの分泌が低下することによって引き起こされる内分泌疾患です。副甲状腺ホルモンは、骨や腎臓に直接作用するだけでなく、小腸にも間接的に作用することで体内のバランスを調整することが知られています。副甲状腺機能低下症の患者さんは、神経筋過敏症、腎機能障害、異所性石灰化、認知障害など、さまざまな疾病を短期的および長期的に患うリスクがあります。患者数は、甲状腺手術後に発症する術後性副甲状腺機能低下症を除けば、全国で約2,300人と言われています。

副甲状腺機能低下症では、血中カルシウム濃度を維持するために活性型ビタミンD3製剤やカルシウム製剤を使用して治療を行いますが、これらの治療は高カルシウム血症や高カルシウム尿症、腎石灰化や尿路結石、腎機能障害などの有害事象を引き起こす可能性があります。このような問題を解決するために、欠乏している血中の副甲状腺ホルモンの濃度を生理的範囲で長期的に維持できる新しい治療薬が必要とされています。

今回の製造販売承認申請は、アセンディス・ファーマ社が日本で実施した第Ⅲ相臨床試験の結果に基づいています。

パロペグテリパラチドは、副甲状腺機能低下症患者さんに1日1回皮下投与することで、24時間にわたり血中PTH濃度を生理学的範囲に維持できる日本初の薬剤です。

なお、本剤は日米欧で希少疾病用医薬品の指定を受けており、アセンディス・ファーマ社は、欧州で2023年11月、米国で2024年8月に成人の副甲状腺機能低下症治療薬として承認を取得しました。

帝人ファーマはプレスリリースにて、「「より支えを必要とする患者、家族、地域社会の課題を解決する会社」となることを長期ビジョンとして掲げ、希少疾患や難病領域に注力しています。今後は、在宅医療で培った事業基盤と医薬品、医療機器を組み合わせて、誰もが住み慣れた自宅で安心して治療を継続できる新しい価値提供を推進し、患者さんが必要とする治療(医薬品・医療機器)の普及に貢献することを目指します」と述べています。

出典
帝人ファーマ株式会社 プレスリリース

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