原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の成人患者さんを対象としたリネリキシバットの第III相試験で良好な結果
英GSK社は11月19日、自己免疫性肝疾患である原発性胆汁性胆管炎(PBC)に関連する胆汁うっ滞性そう痒症(持続的な強いかゆみ)を有する成人患者さんを対象に、回腸胆汁酸トランスポーター(IBAT)を標的とした治験段階の阻害薬「リネリキシバット」を評価する進行中の国際共同第III相試験「GLISTEN」において、良好な結果が得られたと発表しました。
原発性胆汁性胆管炎(指定難病93、PBC)は、肝臓内の胆管が壊れる疾患です。女性に発症することが多く、治療しなければ肝障害や肝不全を引き起こす可能性があります。肝臓内の胆管が壊れた結果、循環血中に過剰な胆汁酸が生じ、胆汁うっ滞性そう痒症(皮膚を掻いても軽減しない体内のかゆみ)が起きると考えられています。そう痒症は、最大90%の患者さんで経験します。原発性胆汁性胆管炎(PBC)の一次治療では、約70%の患者さんで疾患自体の進展抑制が得られるものの、根治的治療法は確立されていません。
GLISTEN試験では、中等度から重度のそう痒症を有する原発性胆汁性胆管炎(PBC)患者さんのうち、ガイドラインで推奨されているそう痒症治療を安定した用量で受けている患者さん、そう痒症未治療の患者さん、過去にそう痒症治療を受けたことがある患者さんが登録。主要評価項目である24週間にわたる月間かゆみスコアのベースラインからの変化量において、リネリキシバットはプラセボと比較して統計学的に有意な改善を示したことから、リネリキシバットのそう痒の改善効果が示され、主要評価項目が達成されました。予備的な安全性評価結果は、リネリキシバットの過去の試験で認められた結果とおおむね一致していました。現在、これらのデータの更なる解析を進めているそうです。
なお、GLISTEN試験の詳細な結果は、今後の学術集会にて発表される予定です。リネリキシバットは現在、世界のどの国・地域でも承認されておらず、米国とEUで希少疾病用医薬品に指定されています。