全身性エリテマトーデス(SLE)の治療実態を電子カルテデータから解析、論文を発表
TOPPANホールディングス株式会社は8月6日、電子カルテデータを用いて全身性エリテマトーデス(SLE)の治療実態を解析した論文を2024年7月30日付で発表したと公表しました。
全身性エリテマトーデス(指定難病49)は、10-30歳代の女性に発症することが多く、全身の様々な部位に炎症を起こし、発熱、倦怠感などの全身症状や皮膚、腎臓、脳、関節などの症状が現れる全身性の自己免疫疾患です。日本では約6~10万人の患者さんがいると報告されています。
全身性エリテマトーデス(SLE)の治療には、ステロイドが用いられますが、長期間にわたる高用量のステロイド投与は長期的な損傷や病的状態が続く主な原因になることが知られており、ステロイド投与量の減量は全身性エリテマトーデス(SLE)患者さんの健康状態改善に臨床的意義があります。
そこで同社は全身性エリテマトーデス(SLE)の治療実態を解析、探索研究を実施しました。
今回の研究は、電子カルテデータを用いて、実臨床で治療を受けている患者群における医薬品の有効性や安全性を定量的に解析し、実態を把握することを目的に実施。「DATuM IDEAⓇ」の電子カルテデータを使用し、①全身性エリテマトーデス(SLE)患者さんにおける薬剤服用量の変化、②検査値データによる血中バイオマーカーの変動、③有害事象の発現を分析し、生物的製剤の処方によるステロイドの減量効果を評価しました。
その結果、生物的製剤によるステロイドの減量、血中バイオマーカーの改善、有害事象の発生割合の低下が示唆されました。また、電子カルテデータを用いて治療実態を詳細に解析できることが分かりました。
TOPPANホールディングスは今後の展開について、「未だ治療法が見つかっていない疾患や希少疾患などに対して、電子カルテデータを用いて治療実態を詳細に解析します。また、今後も高品質かつ効率的な研究開発を支援するサービスの展開により、健康寿命の延伸と持続可能な社会の実現に貢献していきます」と述べています。