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sparsentan、IgA腎症が対象の国内第III相臨床試験で第1例目の投与を開始

レナリスファーマ株式会社は7月18日、sparsentanのIgA腎症に対する国内第III相臨床試験において、最初の被験者に同剤の投与を開始したと発表しました。

IgA腎症(指定難病66)は、異常IgAタンパクが腎臓組織に沈着することで、腎臓の機能を阻害し、炎症を引き起こすことで発症する疾患です。IgA腎症は、腎不全の主な原因の1つとして広く知られており、IgA腎症が原因で末期腎不全(透析)へと移行する患者さんも多いと言われています。しかし、発症や重症化の機序については未解明な点が多く、日本ではIgA腎症に対する明確な治療法が乏しく、新たな治療法の開発が求められています。

今回の試験は、2024年4月に治験届を提出した日本人のIgA腎症患者さんを対象とした、多施設共同、非盲検、単群試験。約30名の日本人患者さんにおいて、sparsentanの有効性及び安全性を確認する目的で実施しており、2025年後半に尿蛋白/クレアチニン比の評価結果を得る予定です。

Sparsentanは、Travere社が開発し、レナリスファーマが日本、韓国、台湾、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムでの独占的開発・商業化に関するライセンスを有しています。同剤は、2023年に「急速に病勢進行のリスクがある原発性IgA腎症の成人患者における蛋白尿の減少」を効果・効能としてFDAの迅速承認を得ています。

さらに、Travere社は2024年3月に、IgA腎症患者さんを対象とした対照薬との直接比較試験である第III相PROTECT試験の2年間の結果に基づき、米国での既存の迅速承認から本承認への変更を求める医薬品承認事項変更申請をFDAに提出。現在優先審査指定品目として審査を受けております。

なお、PROTECT試験では、sparsentanと対照薬であるイルベサルタンを比較して、蛋白尿の有意な減少、腎機能の維持、忍容性の高い安全性プロファイルを示しています。

レナリスファーマはプレスリリースにて、「腎臓病管理の改善を可能とする革新的な治療薬の開発を通じて、日本及びアジアの患者さんの生活の向上に貢献すべく、sparsentanを一日も早く届けることを目指し、事業を推進して参ります」と述べています。

出典
レナリスファーマ株式会社 プレスリリース

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