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FUS変異の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さんに対する核酸医薬の治験を開始

東邦大学医療センター大森病院は5月29日、2024年6月より、FUS変異による筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さんに対する核酸医薬の治験(FUSION試験 第1−3相)を実施すると発表しました。

筋萎縮性側索硬化症(指定難病2)は、手足・のど・舌など呼吸に必要な筋肉が徐々に痩せて力がなくなっていく疾患です。FUS変異の筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、一般的な筋萎縮性側索硬化症(ALS)と異なり、発症年齢が40歳前後と若い方に多く、予後が2~3年と非常に短いのが特徴です。家族性筋萎縮性側索硬化症(ALS)と言われていますが、家系に筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者さんがいない場合がほとんどと言われています。

今回の治験での遺伝子検査は、家族に筋萎縮性側索硬化症(ALS)の方がいる患者さん、もしくは筋萎縮性側索硬化症(ALS)の方がおらず40歳以下で発症した患者さんが対象となります。遺伝子検査実施施設は、東北大学、東京大学、東邦大学、愛知医科大学、滋賀医科大学、徳島大学の6施設です。

今回の治験は、12歳以上で、遺伝子検査でFUS変異を有しており、肺活量が50%以上である筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さんが対象です。登録期間は2025年3月までです。実薬とプラセボ(薬効成分のないお薬)が2:1の割合で無作為に割り付けられ、脊髄腔内に投与されます。

治験薬ION363は、アンチセンスオリゴヌクレオシドという核酸医薬です。この治験薬を脊髄内に定期的に投与することで変異型FUSタンパク質が減少し、運動ニューロンの障害を防ぐとされています。

今回の治験が開始されることにより、FUS変異による筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さんに対して良い知らせが届くことが期待されます。

出典
東邦大学 プレスリリース

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