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ポンペ病の新規治療薬候補MZE001の導入で塩野義製薬とMaze社がライセンス契約を締結

塩野義製薬株式会社は5月10日、ポンペ病に対する新規治療薬候補であるMZE001の導入に関するライセンス契約を、米Maze Therapeutics社との間で締結したと発表しました。

ポンペ病(小児慢性特定疾病97)は、細胞内でのグリコーゲンの分解に必要な酵素が生まれつき足りないために、全身の細胞(特に筋肉の細胞)にグリコーゲンが蓄積して起こる先天性の代謝異常疾患です。症状は、筋力低下や歩行障害、呼吸器障害、心機能障害など、さまざまです。世界でのポンペ病の患者数は5万人と推定されています。

現在、ポンペ病の治療は、グリコーゲンの分解に必要な酵素である酸性α-グルコシダーゼ(GAA)を補充する酵素補充療法(以下、ERT)が中心ですが、単独の治療では症状の改善効果やその持続性に多くの課題が残っており、新たな治療法の開発が求められています。

塩野義製薬がMaze社から導入したMZE001は、グリコーゲンの合成を担う酵素であるGlycogen synthase1(GYS1)を阻害し、筋肉中のグリコーゲン濃度を低下させることで症状の改善が期待できる低分子の経口薬です。既に実施されているPhase1試験において、筋肉中のグリコーゲン濃度の低下作用が確認されています。また、既存のERTとは作用メカニズムが異なることから、単剤に加え、ERTとの併用での治療効果も期待できます。今後、塩野義製薬は、MZE001の単独療法、ERTとの併用療法のそれぞれの適応を目指して、Phase2試験を開始する予定です。

塩野義製薬はプレスリリースにて、「取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として「健やかで豊かな人生への貢献」を特定し、誰もがより長く、そして自分らしくいきいきとした生活を送ることができる社会の実現に向け、取り組みを進めています。アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する画期的な治療薬である本剤を、患者さまにいち早くお届けできるよう、引き続き努力してまいります」と述べてます。

なお、MZE001は、米国では希少疾患用医薬品の指定を受けています。

出典
塩野義製薬株式会社 プレスリリース

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