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【米国】エンタイビオ皮下注射製剤が中等症から重症の活動期クローン病に対する維持療法としての承認を取得

武田薬品工業株式会社は4月19日、エンタイビオ点滴静注製剤による導入療法後の成人の中等症から重症の活動期クローン病(CD)に対する維持療法として、エンタイビオ(一般名:ベドリズマブ)皮下注射製剤が、米国食品医薬品局(FDA)によって承認されたと発表しました。

クローン病(指定難病96)は、大腸や小腸の粘膜に慢性的な炎症が起こり、腹痛や下痢、血便などの症状が現れる炎症性腸疾患です。

エンタイビオは、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病の成人患者さんの治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)によって承認されている皮下注射製剤です。

今回の承認は、VISIBLE2試験(SCCD試験)からのデータに基づいたものです。VISIBLE2試験には、0週および2週時点に非盲検下にてベドリズマブの点滴静注製剤による静脈内投与を2回実施後、6週時点で臨床的改善を達成した、中等症から重症の活動期クローン病成人患者さんが参加し、エンタイビオ皮下注射製剤による維持療法を行ったときの安全性と有効性をプラセボと比較して評価しました。主要評価項目は、52週時点における臨床的寛解(クローン病活動指数[CDAI:Crohn’s Disease Activity Index]のスコアが150以下と定義)でした。

同試験では、全409名の患者さんが6週時点で、二重盲検法により、2週間ごと投与のエンタイビオ皮下注射製剤108mg群とプラセボ群に2:1で無作為に割り付けられました。コルチコステロイド、免疫調節薬(アザチオプリン、6-メルカプトプリンまたはメトトレキサート)、腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬のうち、少なくとも1剤において、効果不十分、効果減弱または不耐である患者さんが参加しました(一次無効例を含む)。

エンタイビオ皮下注射製剤108mgを維持療法として2週間ごとに投与した群の52週時点における長期の臨床的寛解率は、プラセボ投与群と比較して統計学的に有意に高い結果(エンタイビオ皮下注射群:48%、プラセボ投与群:34%、p<0.01)を示しました。

また、エンタイビオ皮下注射製剤の安全性プロファイルは、点滴静注製剤の既知の安全性プロファイルと概ね一致していました。皮下注射製剤の副作用として、注射部位反応(注射部位の紅斑、発疹、そう痒症、腫脹、挫傷、血腫、疼痛、蕁麻疹、浮腫)が追加されました。エンタイビオ点滴静注製剤で最も多く報告された副作用は(発現率が3%以上で、プラセボ群より1%以上高い事象)、上咽頭炎、頭痛、関節痛、悪心、発熱、上気道感染、疲労、咳嗽、気管支炎、インフルエンザ、背部痛、発疹、そう痒症、副鼻腔炎、口腔咽頭痛および四肢痛がみられました。

GI Alliance Researchの研究教育部門シニア メディカル ディレクターであり、TCU School of Medicineの医学部助教授であるTimothy Ritter, MDはプレスリリースにて、「クローン病は複雑で、通常は進行性であり、適切な管理が欠かせません。臨床医としての私の第一の目標は、常に患者さんの寛解を達成することです。VISIBLE2試験では、エンタイビオ皮下注射製剤で治療を行った患者さんの約半数で、長期的な臨床的寛解を達成できました。VISIBLE2試験のデータから、エンタイビオが投与経路に関わらず、安定した有効性のプロファイルを持つことが確認されています」と述べています。

また、U.S.メディカルのシニアヴァイスプレジデントであり、米国消化器系疾患のヘッドであるBrandon Monk氏は、「クローン病に対するエンタイビオ皮下注射製剤の承認は、患者さんに潰瘍性大腸炎またはクローン病の寛解のための治療選択肢をお届けするという私たちの目標の実現につながるだけでなく、治療に柔軟性や投与経路の選択肢をもたらします。ENTYVIO Penの登場により、患者さんが自宅や外出先で維持療法を行う選択肢ができたのです。皮下投与の選択肢の開発は、消化器系疾患と共に生きる人々の真のニーズに応えるという当社の取り組みを示すものです」と述べています。

出典
武田薬品工業株式会社 プレスリリース

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