慢性特発性血小板減少性紫斑病の治療薬としてウィフガート点滴静注が適応追加承認を取得
アルジェニクスジャパン株式会社は3月26日、抗胎児性Fc受容体(FcRn)抗体フラグメント製剤「ウィフガート点滴静注400mg」(一般名:エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)、以下、ウィフガート)について、慢性特発性血小板減少性紫斑病(慢性ITP)に対する効能効果及び用法用量に関する製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表しました。
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は、免疫グロブリンG(IgG)自己抗体が血小板を破壊したり、血小板の産生に障害をきたすことで、血小板減少を引き起こすきたす自己免疫疾患で、急性型と慢性型に分類されます。急性型はウイルス感染をきっかけに小児期に発症することがあり、9割が数週~数カ月で自然と治ります。慢性型は成人で発症し、血小板数の減少が半年以上続きます。重度の場合、出血症状が頻繁に起こり、まれに脳出血を起こすことがあります。
ウィフガートは、内因性IgGのFcRnへの結合を競合阻害することによって、内因性IgGのリサイクルを阻害して、IgG分解を促進し、IgG自己抗体を含む血中IgG濃度を減少させる抗FcRn抗体フラグメント製剤です。
今回の承認取得は、ウィフガートのITP患者さんにおける有効性および安全性を評価した第3相国際共同試験(ADVANCE試験)から得られた結果に基づくものです。同試験では、日本人を含む成人の特発性血小板減少性紫斑病(ITP)患者さん131人が登録され、ウィフガートもしくはプラセボを投与されました。
今回の適応追加承認により慢性特発性血小板減少性紫斑病(慢性ITP)は、全身型重症筋無力症に続き、ウィフガートにおいて2つ目の適応症となります。
アルジェニクスジャパン株式会社の代表取締役社長であるヘルマン・ストレンガー氏は今回の承認について「この度の承認取得により、ITPの患者さんに新たな治療選択肢としてウィフガートをお届けできることになり、とても嬉しく思っております。治験に協力いただきました患者さんや医療従事者の皆様に深く感謝申し上げます。当社は更に多くの重篤な自己免疫疾患に対してエフガルチギモドを評価しており、今後も免疫学のイノベーションを患者さんにお届けしてまいります」と述べています。